11年ぶり「事故死ゼロ」1年 冬場の輪禍リスク懸念 イリオモテヤマネコ

西表島では、10月に18件の目撃があった(「イリオモテヤマネコ運転注意マップ(11月)」)

 2019年11月3日に竹富町の西表島に生息する国天然記念物・イリオモテヤマネコの死亡事故が発生し、今月3日で1年が経過した。事故死ゼロが近年で1年を超えたのは2008年5月~09年7月の446日で、11年3カ月ぶりとなる。交通事故も19年12月11日から発生していないが、冬場は複数の要因から事故リスクが高まるため、事故・事故死ともに発生が懸念される。

 環境省西表自然保護官事務所によると、イリオモテヤマネコが車に轢かれて死亡する事故は19年11月3日に起きて以降は発生しておらず、今月2日までに事故死が確認されていないことから、連続365日となった。
 近年で交通死ゼロが続いたのは、08年5月1日~09年7月21日の446日で、1年超えは11年3カ月ぶりとなる。
 事務所はコロナで4~6月に来島者が激減し、島内のレンタカーの通行量が減少したことが一因と見ている。
 交通事故自体に関しては、昨年12月11日~今月2日まで、327日と継続している。
 竹中康進自然保護官は「冬場は繁殖の時期でオス親が動き出すし、子ネコが独り立ちする時期でもある。また、上原航路の欠航で東部と西部の移動も増え、そこにGoToキャンペーンも加わる」とし、事故リスクの増加の可能性を指摘。
 島民や観光客らの目撃情報をもとに「運転注意マップ」が毎月作成されており、「1年間、交通事故自体がない状況を目指したい。安全運転を」と呼び掛けた。
 島内に百~百数十匹いるとされるイリオモテヤマネコは16~19年、毎年2~7匹が車に轢かれて死亡している。死因の中で最も多く、防止策が課題となっている。

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