石垣駐屯地で衛生訓練 自衛隊と米海兵隊、連携し応急処置
石垣駐屯地では26日、陸上自衛隊と在沖米海兵隊が共同で衛生訓練を行った。20日から31日までの日程で行われている自衛隊統合演習の一環で行われ、約160人が参加。駐屯地内に応急救護所を開設し、運ばれて来た患者にトリアージを実施、応急処置も施した。天候の影響で陸自ヘリや米揚陸艇の使用は見送るなど、規模を縮小して実施した。
訓練は、石垣島南方沖で大地震が発生し、石垣市の市街地と島内中部地域が被災したと想定。住民や観光客など一般人が多数負傷したと仮定し石垣駐屯地に患者を移送した。
日本側は石垣駐屯地の隊員約100人、米側は沖縄本島にあるキャンプフォスターの医療支援部隊やハンセン、シュワブの兵たん担当者など計60人ほどが参加した。
駐屯地内に野戦病院と言える医療施設を開所。屋外(儀仗広場)に複数の大型テントを張り、日米の指揮所や処置室、病室を設置。運ばれてくる患者を重症や中等症、軽症に分類。重症は日本側が、中等症・病室は米側が、それぞれ主導して運営した。各テント内で、それぞれ必要な応急処置を行った。
日米の隊員が協力して応急手当や搬送を実施。通訳を介さずに意思疎通を図った。
手術が必要な重症患者などは、八重山病院に搬送か島外への移送が必要であるため、運び出すまでを演練した。
訓練概要を説明した陸自第15旅団の衛生隊長・太田良三佐は、日米では治療時に相違点もあるため、「共に訓練をすることで発見できる」と成果を強調。連携を強化できたとアピールした。実際の災害では自衛隊が主導して被災者支援を行うとした。
災害医療コーディネーターの竹島茂人氏はオブザーバーとして今回の訓練を視察。自衛隊と米軍が共に石垣島で訓練を行う意義を強調した。「(隊員は)人事で異動もある。年に1、2回は定期的に行うべき」とし、石垣市や消防、警察、海保とも連携が必要だと訴えた。
昨年、防衛省は離島統合防災訓練を石垣島や西表島で実施。米軍も参加し今回と同様に救護所の運営も演練した。石垣市の総合防災訓練と連携し市役所周辺で行われた。