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顔認証で完全キャッシュレス実証 西表島に2台目EVバス導入

2026/02/26

運賃箱を設置しない完全キャッシュレス仕様の新型EVバス=25日、西表島大原港

西表島交通株式会社は25日、西表島大原港で新型EVバス(電気バス)のお披露目と、顔認証システムの実証実験デモンストレーションを行った。車両は同社2台目の路線バスとして使用される。今回の導入にあわせて顔認証によるキャッシュレス決済に向けた実証実験も行われた。離島では初めて。島の公共交通のDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させる取り組みとして注目される。

導入された車両はBYD社製「K8」(76人乗り)。1回の満充電で西表島の路線往復を十分にカバーできる性能を持つ。車内には各座席にUSB充電ポートを備え、バリアフリー対応のスロープや跳ね上げ式座席も完備。外装は由布島の水牛車や動植物などをモチーフにしたラッピングが施されている。

玉盛雅治社長は「電気バスはエンジンがなく部品交換が少ないため、整備の負担が軽減される。(前回導入から)3年間の実績で安定性も確認できている」と説明。さらに「今回は初めて運賃箱を完全になくした。現金の扱いは運転士の大きな負担だが、IT化でストレスを減らし、人手不足の中でも運行を維持していきたい」と語った。

あわせて、2月16日から28日まで実施している顔認証システムの実証実験も紹介された。国土交通省の地域公共交通確保維持改善事業(自動運転・MaaS推進)に採択された取り組みで、ジョルダン株式会社と株式会社ジェイフロンティアが協力。路線バスに加え、由布島水牛車も対象とする。

ジョルダンの結川昌憲執行役員は「離島では初の試み。スマホやカードを持たない子どもや高齢者でも、顔さえあればキャッシュレス決済が可能になる」と強調。「誰がどこで乗り降りしたかという正確なODデータを取得できることも大きな強み。実証で課題を整理し、来年6~7月頃の本格導入につながれば」と述べた。

玉盛社長は「財布やパスを忘れても乗れる究極のバリアフリー。弱者に優しい仕組みを構築し、島全体のDX化につなげたい」と期待を寄せる。

実証終了後はデータを検証し、本格導入に向けた改善を図る方針。将来的には水牛車や船、商業施設などとの連携も視野に入れているという。