常勤医師が不在に 本島から派遣で対応へ 八重山病院、脳神経外科
会見した田仲氏(写真左)と中山氏=26日、八重山病院
県立八重山病院(田仲斉院長)は26日記者会見を開き、今年度末で脳神経外科部長が退職するため、診療体制を変更すると発表した。来年度からは、琉大病院と県立南部医療センター・こども医療センターから医師の派遣を受け、金曜日のみ外来診療を実施。翌日(土曜日)まで緊急時に備え待機する。残る5日間は、常勤医師が不在となるため、沖縄本島に患者を搬送して治療する。
現在、八重山病院では、火曜日と金曜日に外来診療を行い、緊急時も24時間で対応している。
今後、常勤医師が不在の期間に緊急手術や高度医療が必要と判断された場合、沖縄本島の自衛隊ヘリなどを活用し、本島に患者を搬送する予定。田仲氏は「体制変更に伴い、搬送件数はこれまでの年間10件弱程度から、30件程度まで増える見込み」と説明した。
今回退職するのは、50代の医師で、2017年6月に八重山病院に赴任。以後、実質1人で脳神経外科の常勤医師として勤務を続けてきた。退職理由について「一人で診療するのは大変」と2年ほど前から病院側に伝えていた。
八重山病院は、本島の病院から若手医師の短期ローテーション派遣を行い、体制を維持する予定だったが、実現できなくなったため、常勤医の不在が確定した。病院側は今後も医師確保に向けて取り組みを続ける。
田仲氏は全国で問題となっている医師不足の影響を先島地域でも受けたと強調。「脳神経外科の医師が全国的に高齢化している中、専門医を作る体制作りが進められている」と説明。医師2人体制での診療が基本となる中、「(八重山では)医師1人で手術し、術後の管理も行っているが、厳しい」と窮状を訴えた。
全国的に、脳外科の医師は一カ所に集められ、複数人で診療できる体制を組む。
ただ、離島県である沖縄について、田仲氏は「地理的に制約があるので、(体制維持が)厳しい」と訴えた。
会見に同席した八重山市町会の中山義隆会長(石垣市長)は竹富・与那国両町長と共に病院側から説明を受けたと説明。「行政は医師確保について、国に要請するよう準備を進める」と強調した。