視点 【視点】不安視される「石破外交」 石破茂首相は南米ペルーでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)、ブラジルでの20カ国・地域(G20)リオジャネイロ・サミットに出席し、国際舞台にデビューした。特に注目されたのは米、中、韓との首脳会談だ。 首相によると、バイデン米大統領とは日米同盟の発展、幅広い分野でのグローバルな連携強化などを確認した。尹錫悦(ユン・ソンニョル)韓国大統領とは来年の国交正常化60周年に関し、日韓関係を飛躍させる… 2024/11/22
視点 【視点】低下するメディアの影響力 「職員へのパワハラがあった」などと主要メディアの猛バッシングを受け、県議会で全会一致の不信任決議を可決され失職した知事が予想外のカムバックを果たした。主要メディアを上回るSNSの威力を見せつけた、過去に類例のない選挙だったと言える。 兵庫県知事選は無所属の前職、斎藤元彦氏が、元尼崎市長ら新人6人を破って再選を決めた。 この選挙の発端は、同県の幹部が斎藤氏のパワハラや不正疑惑を告発する文書を報… 2024/11/19
視点 【視点】少数与党 多難な船出 石破茂首相が特別国会で再び首相に指名され、第2次内閣を発足させた。だが少数与党の厳しい船出だ。内政、外交ともに多難な時代だからこそ、雌伏の時代を経てようやく政権を獲得した首相の手腕が問われる。 衆院選での与党大敗は、物価高騰などで国民生活が苦しさを増す状況に、自民党の「裏金」問題が追い打ちを掛けた結果だった。 与党が政権運営に協力を求めた国民民主党は、年収103万円を超えると所得税が発生し、… 2024/11/13
視点 【視点】トランプ報道とメディアの危機 米大統領選は共和党・トランプ前大統領の再選が決まった。獲得した選挙人は過半数を大きく上回り、圧勝と言っていい。大統領選の情勢を「大接戦」と報じ続けてきた日本の主要メディアは、この結果を全く予測できなかった。一連の報道から浮かび上がるのは、主要メディアの危機である。 主要メディアが選挙戦の流れを見失った背景には、どの社も民主党・ハリス副大統領に肩入れし、トランプ氏を貶めるような報道に終始したこと… 2024/11/08
視点 【視点】トランプ氏再選 超大国の責任果たせ 米大統領選は、激戦州を立て続けに制した共和党トランプ前大統領の再選が決まった。すべての開票結果はまだ判明していないが、6日の時点で、一部メディアはトランプ氏の当選確実を報じた。トランプ氏も支持者の集会で勝利を宣言した。 トランプ氏に関し、日本では、自国の利益を最優先にする「アメリカ・ファースト」の政治を推し進めるとの警戒感が強い。 同盟国を無視し、ロシアのプーチン大統領、中国の習近平国家主席… 2024/11/07
視点 【視点】民意は「政権交代」まで望まず 衆院選を受けた特別国会は11日召集され、石破茂首相が再び首相に指名される可能性が大きくなった。与党の自公は過半数を割り込んだものの、首相指名選挙で野党が一致して立憲民主党の野田佳彦代表に投票する状況には至っていないためだ。とりあえず政権交代は起こらない見通しだが、自公は少数与党として苦しい政権運営を迫られる。 自公が過半数を割ったのは政権交代を求める民意の表れという見方もあるが、今回は違うだろ… 2024/11/06
視点 【視点】大接戦の米大統領選 米大統領選は11月5日の投票まで1週間を切り、日米のメディアは、民主党のハリス副大統領と共和党のトランプ前大統領の大接戦になっていると報じている。 日本は衆院選で与党が過半数を割り、一気に政情が不安定化した。だが誰が大統領、首相になっても、日本としては日米同盟を基軸に外交・安全保障を進める方向性を堅持すべきだ。同時に、米国に過剰に依存するような体質も改めなくてはならない。 米大統領選は民主党… 2024/10/31
視点 【視点】沖縄は自公の実質勝利か ▽政権交代含み 衆院選は自民、公明が全465議席中215議席にとどまり、過半数を割り込んで少数与党に転落した。石破茂首相は政権維持に向け、国民民主党などの野党と連携を模索する方針だが、現時点で自公との連立に応じる野党はなく、政局は一挙に流動化した。 特別国会の首相指名選挙では、石破首相だけでなく野党第一党である立憲民主党の野田佳彦代表も首相を目指す意向を示している。野党同士の連携が進めば、政… 2024/10/29
視点 【視点】衆院選後の政局、緊迫か 衆院選は27日の投開票まで選挙戦を1日残すのみとなった。自民党は「裏金」問題で厳しい逆風にさらされており、最終盤の情勢を分析した報道各社の世論調査では、自公が過半数割れする可能性を指摘するものも出ている。いずれにせよ立憲民主をはじめとする野党の躍進が予想され、衆院選後の政局は、一気に緊迫感を増しそうだ。 仮に与党が過半数を確保できなかったり、過半数ギリギリだった場合、与党は政策が近い他の政党に… 2024/10/26
視点 【視点】物価高 負担軽減策見極めを 衆院選では、物価高騰に伴う県民の経済負担をいかに軽減するかが争点の一つだ。沖縄4区でも候補者4人が街頭演説や八重山・宮古メディアのインタビューで、それぞれ持論を展開している。 物価高騰は急激な円安、ウクライナ侵攻に伴う輸入品やエネルギー価格の上昇が要因とされる。食費、光熱水費などの値上がりは、所得が低い世帯ほど家計に深刻な影響を及ぼす。 離島の離島である八重山ではもともとコスト高で、本土や本… 2024/10/24
視点 【視点】北朝鮮「参戦」 緊張激化の恐れ ウクライナのゼレンスキー大統領は、北朝鮮がロシアに兵士を派遣し、ウクライナ侵攻に参戦していると主張した。ウクライナ政府は証拠となる映像も公開した。 北朝鮮の参戦に関しては、韓国の情報機関も肯定する見解を示している。事実だとすれば戦争の様相を一変しかねない重大な事態と言える。 それは、これまでロシア対ウクライナの構図だった戦争が名実ともに多国間の戦争になるということであり、戦争がアジアにも波及… 2024/10/23
視点 【視点】4区 安保政策が住民の課題に 衆院選沖縄4区は尖閣諸島を抱え、台湾に近い八重山を含むため、日本の安全保障政策がそのまま住民の生活課題として争点になる。その意味では全国稀有の選挙区と言っていいだろう。 宮古、八重山メディアは合同で、4候補者に対するインタビューを行い「台湾有事」への考えなどを聞いた。 「台湾有事」という言葉が日本国内で大きくクローズアップされたのは、安倍晋三元首相が「台湾有事は日本有事」と発言したことがきっ… 2024/10/22
視点 【視点】辺野古「ワンイシュー」は終わった 衆院選が公示され、沖縄では4つの選挙区で計16人が立候補した。いずれの選挙区も、玉城デニー知事を支え、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する「オール沖縄」勢力と自民党候補の対決を軸に、れいわ、維新、参政党などが参戦し、激しい選挙戦を展開している。 「オール沖縄」勢力が誕生した10年前の衆院選と比べると、各候補が打ち出す政策や主張も多彩になった。 10年前は辺野古移設の是非が「ワンイシュ… 2024/10/17
視点 【視点】事故原因究明 政治絡めるな 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設工事で、土砂搬出が行われている同市の安和桟橋で起きた死傷事故を巡り、県議会土木環境委員会の野党は11日、事故当時の監視カメラ映像を確認した。辺野古移設に反対する与党「オール沖縄」勢力の県議らはこれに反発し、仲里全孝委員長の不信任動議を提出したが、否決された。 事故は今年6月28日、抗議活動中の女性が進行中のダンプカーに立ちふさがろうし、女性を制止しようとした警… 2024/10/15
視点 【視点】「オール沖縄」の枠組み崩壊 衆院選で気になるのは、玉城デニー知事を支え、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する「オール沖縄」勢力の行方だ。 辺野古移設反対の政策では共通するれいわ新選組が、1区と4区に独自候補を立てた。二つの選挙区では、辺野古をワンイシューに掲げ、さまざまな政党や団体の大同団結で求心力を維持してきた「オール沖縄」の枠組みが事実上崩壊した。 「オール沖縄」勢力は1区で共産現職を擁立しており、共産党の… 2024/10/10
視点 【視点】「資産運用立国」へ環境整備を 石破茂政権の発足を受け、東京株式市場では9月30日、日経平均株価が急落し「石破ショック」と報じられた。翌10月1日の日経平均株価は大幅に回復したが、石破政権の経済政策に対する警戒感から、市場は不安定な状況が続いている。それは取りも直さず、成長軌道に乗り切れない日本経済の不安定さを示している。 石破首相は2日、全国証券大会にビデオメッセージを寄せ、岸田文雄前政権が打ち出した「資産運用立国」を継承… 2024/10/04
視点 【視点】新首相 安保、振興で目に見える成果を 自民党の石破茂総裁が1日の臨時国会で首相に指名される。9日には衆院を解散し、15日公示、27日投開票の衆院選に突入する。石破政権は発足直後に国民の審判を受けることになる。 沖縄の衆院選では、米軍基地問題や台湾有事の懸念に石破氏がどう対応するかが関心事になる。沖縄振興のあり方も主要争点だ。 石破氏は自民党総裁選に5度目の挑戦で悲願を達成した。沖縄でも党員票はトップだった。世論の期待の高さがうか… 2024/10/01
視点 【視点】関係悪化 中国は責任自覚を 日中関係が先鋭化している。中国広東省深圳の日本人男児刺殺、中国軍機の領空侵犯、中国空母の与那国島―西表島間航行と、日本の国民感情を逆なでする事件が続発しているためだ。中国は両国関係悪化の全責任が自らにあることを自覚し、行動を改めるべきだ。 男児刺殺事件を巡っては、上川陽子外相が中国の王毅外相との会談で、一刻も早い事実解明と日本への説明、悪質で反日的なSNS投稿の取り締まりなどを要求した。 だ… 2024/09/28
視点 【視点】立憲新代表 現実主義への転換を 政権交代を目指すなら、現実主義への転換は不可欠だ。自民党への批判や耳当たりのいいフレーズばかりが目立った立憲民主党の代表選だが、11月にも予想される衆院選に向け、政策立案能力がシビアに問われてくる。 立憲民主党の新代表に野田佳彦元首相が当選した。自らが首相として衆院選に臨んだ2012年以来、12年ぶりの政党党首返り咲きとなる。 「右」の自民党に対し「左」の立憲という立ち位置の中で、リベラルに… 2024/09/24
視点 【視点】八重山周辺に空母 離島に不安 八重山住民に対する露骨な威嚇ではないか。中国海軍の空母「遼寧」とミサイル駆逐艦2隻が17日、石垣市の尖閣諸島・魚釣島周辺から与那国島と西表島間の海域へ進み、太平洋へ向かった。 防衛省によると、中国空母による与那国島と西表島間の航行が確認されたのは初めてという。 空母は戦闘機を搭載して他国を攻撃するための艦船だ。空母の航行や接近は、それ自体が周辺国に対する直接的な武力行使を想起させる。 実際… 2024/09/20