金波銀波 【金波銀波】食費は削っている。1日数百円でも1カ月では1万円ほど浮き… 食費は削っている。1日数百円でも1カ月では1万円ほど浮き、生活はだいぶ楽になる。そんな庶民の目から見ると「理解できない」と率直に思う。防衛省が進めている空港・港湾の機能強化に対する反発の声だ◆「特定利用空港・港湾」という制度で、国は平時から自衛隊が円滑に利用できるよう整備したい。空港の滑走路延長やエプロン拡張が実現すれば、平時には大型機の就航も可能になり、住民や観光客の利便性が向上する。多額の予… 2024/05/04
金波銀波 【金波銀波】北陸新幹線が16日… 北陸新幹線が16日、金沢から敦賀まで延伸開業した。東海と北陸を結んでいた在来線特急「しらさぎ」が敦賀発着となり、「名古屋発金沢行き」の特急「しらさぎ」は姿を消した▼私事ながら、思い出の詰まった特急だ。大学入試のために緊張して乗った記憶。入学でき、再び乗車して訪れた兼六園は桜が満開だった。年末に帰省し、新年に乗車すると、車窓の景色が一変し、雪の壁の中を進んでいるようで、自然の猛威を痛感した。就職が… 2024/03/17
金波銀波 【金波銀波】米軍普天間飛行場の辺野古移設問題では… 米軍普天間飛行場の辺野古移設問題では「沖縄県民の民意を聞け」と国に訴える玉城デニー県政だが、離島5市町村がそろって要請した空港、港湾の機能強化に対しては、首を縦に振ろうとしない。地元のインフラ整備を熱望する「離島の民意」は直視しないのか。玉城県政は「民意」を都合良く使い分けている、と思わざるを得ない◆国が空港・港湾を「特定重要拠点」として整備しようという構想に対し「自衛隊の利用計画が不明」「沖縄… 2024/02/08
金波銀波 【金波銀波】「大事の思案は軽くすべし」。… 「大事の思案は軽くすべし」。佐賀藩に伝わる藩主の遺訓とされる。要するに、大事なことはあらかじめ方針を決めておくべきという趣旨だ◆台湾有事の勃発で沖縄が攻撃対象となった場合を想定し、国と県は先島諸島の住民や観光客約12万人を九州に避難させる方針だ。逃げるか、逃げないか。本来なら答えは簡単。人生に夢や希望がある20代や30代ならば、迷うことはない。とにかく生き延びて明日を見るべきだ。いずれは帰還して… 2024/02/03
金波銀波 【金波銀波】台湾総統選で当選した頼清徳氏に… 台湾総統選で当選した頼清徳氏に祝意を示した玉城デニー知事に対し、中国が「強い不満と断固とした反対」を表明した。「中国が珍しく沖縄に対して怒っている」と思ったが、コメントが掲載されたのは福岡総領事館の中国語版ホームページ。日本語版には記述がなく、あくまで「中国国内向け」のポーズとしての反発だったようだ◆玉城知事も報道陣に対し「中国は一つであるという日本政府と同じ考え」と強調し、沈静化を図った。中国… 2024/01/26
金波銀波 【金波銀波】中国船が尖閣諸島周辺で… 中国船が尖閣諸島周辺で領海侵入を繰り返している現状に懸念を示す玉城デニー知事のコメントを聞いて、一瞬違和感を覚えた。別に間違いではない。「宮古、八重山地域の住民はもとより、広く県民に不安を与える」と述べたのだ◆尖閣諸島は石垣市の行政区域なのに、なぜ「宮古」が八重山の先に入ってくるのか。調べてみると「宮古、八重山」という言い方は沖縄本島住民の常套句で、要するに本島から近い順番に両地方を並べているら… 2024/01/20
金波銀波 【金波銀波】八重山から能登は遠く… 八重山から能登は遠く、なじみは薄いかもしれない。それでも孤立状態のなかで寒さに震えている被災者を思うと、支援の輪を少しでも広げたいので、被災地がイメージできるよう若干書いておきたい▼能登半島は北陸地方の中央部から日本海へ北に突き出ている。富山湾に沿って進むと半島の中ほどに七尾市。和倉温泉で知られる温泉街だ。年配の方ならご存知だろう横綱輪島の出身地である。さらに北へ行くと穴水町。そして半島の先端が… 2024/01/13
金波銀波 【金波銀波】「赤紙」のレプリカを作るとは… 「赤紙」のレプリカを作るとは、なかなかエッジの効いたアイデアだ。折しも、中国軍幹部が石垣市の行政区画である尖閣諸島をめぐり「戦争を望まないが恐れない」と、「戦争」に言及する緊迫した情勢だ。ただ言葉を発して平和を叫ぶより、再現された赤紙には、今の平和を維持しようという訴求力があった▼残念なのは、その扱い方だ。県立高校内に無断で侵入して配布しなくても、どこか場所を確保し、関心のある若者を集め「赤紙」… 2023/12/13
金波銀波 【金波銀波】昭和の時代に戻った錯覚を覚えた… 昭和の時代に戻った錯覚を覚えた。訪中した公明党の代表がジャイアントパンダの貸与を要請したというニュースだ。東日本大震災被災地のニーズを汲んだというから批判しづらいが、いまどき、だれが「国民感情を和らげる効果」をパンダに期待しているのか。対応した政治局常務委員も「友情を育む重要な役割を果たしている」と前向きだそうだが、連日、石垣市の庭先を横行する国の幹部がよく言ったものだ▼今の動物園には「動物の福祉… 2023/11/24
金波銀波 【金波銀波】暗殺から22日で60年となる… 暗殺から22日で60年となる米国第35代大統領、ジョン・F・ケネディ。歴代大統領の中でもとりわけ人気が高く、暗殺事件のなぞはいまだに多くの人たちの関心を呼ぶ。事件をテーマにしたオリバー・ストーン監督の映画「JFK」は1991年に公開され、大きな話題を呼んだ。大学生だった当時、那覇市の映画館に見に行ったことを懐かしく思い出す◆同監督はその後も暗殺事件の調査を続け、新作ドキュメンタリー映画「JFK暗… 2023/11/22
金波銀波 【金波銀波】久しぶりに驚いた。… 久しぶりに驚いた。玉城デニー知事が台湾訪問を発表したのに対し、在日本中国大使館の報道官が「断固反対する」と反発したのだ◆知事は台湾政府関係者との面会予定を組まないなど、中国に配慮したとも取れるスケジュール調整をしていただけに「中国には事前に話を通してあるのだろう」と思っていた。なのに先方から「断固反対」などという談話を発表されてしまっては、知事のメンツが立たない。知事がせっかく対中融和的な姿勢を… 2023/11/15
金波銀波 【金波銀波】国民は平和な日常に慣れ切ってしまったが… 国民は平和な日常に慣れ切ってしまったが、一歩国外に出ればウクライナ戦争に加え、中東情勢もにわかに緊迫化し、戦争の脅威が目前に迫っている◆軍事力や外交力に乏しくても、かつての日本には経済大国としての威光があった。だが現在、経済は衰退の一途をたどっており、国民が油断すれば遠くない将来、先進国の地位さえ失うかも知れない◆沖縄復帰前後の世代までは、人生の大部分を飽食の時代で過ごすことができた。だが、これ… 2023/10/22
金波銀波 【金波銀波】「戦争は少数の人間が始め… 「戦争は少数の人間が始め、大勢の人間が犠牲になる」。ウクライナから沖縄に避難している女性の言葉だ。独裁者となったプーチン大統領が国際社会の警告を無視し、強引にウクライナへ侵攻した事実を指している◆世界史を振り返っても、圧倒的に多くの戦争は独裁政権が始めた。民衆の熱狂的な愛国主義に突き上げられて戦争を始めたように見せかけつつ、実はその愛国主義を煽っていたのも、官製メディアだった。情報がオープンな民… 2023/10/10
金波銀波 【金波銀波】陸上自衛隊のホームページに… 陸上自衛隊のホームページにカレー特集がある。全国各地の駐屯地のカレーが写真付きで紹介され、気になったものをクリックすれば、PRポイントから栄養、レシピ。作り方が解説されている。ご当地の産品を取り入れ、自衛隊員にとって、カレーがハードな仕事に従事する体力をつけるために工夫を重ねたメニューであり、愛着や誇りをもっていることがよくわかる▼今年3月に開設された石垣駐屯地でも7日に行われる開放イベント「や… 2023/10/06
金波銀波 【金波銀波】この夏の平均気温が… この夏の平均気温が平年を示す基準値より1・76度も高く、1898年の統計開始以降、最も暑い夏だった。最高気温が35度以上の猛暑日日数は、北国の帯広5、青森9、会津若松31、新潟18。一方、八重山地方は西表島の1日だけだ。この傾向が続けば、「夏休みは沖縄へ避暑に行く」というジョークは、常識になるかもしれない▼石垣島の猛暑日は2017年8月20日の35・6度以降は観測されていない。コンクリートに覆わ… 2023/09/03
金波銀波 【金波銀波】「国民保護に関するアンケート調査」。… 「国民保護に関するアンケート調査」。石垣市は、市内のインフラ事業者を対象にこんな表題のアンケートを5月に実施した。依頼文には「シェルターの収容規模(人数)を算出したい」とある。有事への懸念が高まる中で、住民が島外脱出を果たすまで避難するシェルターの基礎データ収集が目的だった▼質問は「住民避難が完了するまでの間、ある程度の職員を島内に配置し、緊急事態への従事を想定しているか」「民間人の避難完了後も… 2023/08/13
金波銀波 【金波銀波】2カ月前に89歳で旅立った母が… 2カ月前に89歳で旅立った母が話していた唯一の戦争体験がある。1944年8月、多数の児童を乗せ、那覇から九州に向かった疎開船「対馬丸」と同時に出港した別の疎開船に、母も乗船していたのだ◆夜中に衝撃音を聞き、翌朝、甲板に行くと、乗船者たちが「一緒にいた船が撃沈された」と口々に話すのを聞いた。母はあとから対馬丸の事件を知り「あの船がそうだったのか」と思い当たったという。テレビで対馬丸のニュースが流れる… 2023/08/11
金波銀波 【金波銀波】八重山日報がそんなことを?… 八重山日報がそんなことを?読者の皆様にご心配をおかけしたかもしれない、もちろん、八重山日報は自衛隊員、家族の皆さんを石垣市の人口に含めずに公表すべきではないか、などという考えはもっていない。それは八重山毎日新聞さんの社説だ。翌日、お詫びを掲載していた▼日本の最西南端の小さなエリアに「八重山」を掲げる地方紙が2紙存在することで、本土の読者には混乱が生じた▼八重山毎日さんは、弊紙より発行部数も多く、… 2023/07/27
金波銀波 【金波銀波】「2023年7月5日が運命の分かれ道だった」。… 「2023年7月5日が運命の分かれ道だった」。後世、そんな歴史的評価を受けることにならないよう願うばかりだ。玉城デニー知事が訪中し、中国ナンバー2の李強首相と面談を果たしたその日、台湾から首里城再建に向けて、建材として台湾紅ヒノキが提供されることになっていた。ところが、台湾側からの連絡で式典は中止になった。▼台湾ヒノキは光沢と芳香が特徴。2020年3月の関係閣僚会議作成の「首里城正殿等の復元に向… 2023/07/20
金波銀波 【金波銀波】母が旅立った。… 母が旅立った。齢(よわい)五十にして、両親ともに冥界の人となった◆子どものころ「死」は縁遠く、映画や小説の中にしか存在しなかった。それは自分個人に限った話ではなく、戦後世代に共通する特徴でもあった気がする。死が日常の光景だった苛烈な戦時の反動で、戦後、社会は生を謳歌する時代に入った◆作家・三島由紀夫はこう書く。「現代社会では、死はどういう意味を持っているかは、いつも忘れられている。いや、忘れられ… 2023/07/12