防火対策や資材調達提言 復元工程作成へ有識者報告 首里城

高良氏(左)が吉住局長に報告書を手渡した=17日午後、沖縄総合事務局

 火災で正殿などが焼失した首里城(那覇市)の復元に向けた有識者による技術検討委員会は17日、防火対策や資材調達に関する報告書を内閣府沖縄総合事務局長に提出した。同事務局は関係閣僚会議に報告書を送付し、政府はこれを基に月内に工程表を策定する。
 委員長の高良倉吉琉球大名誉教授(琉球史)は、同事務局で吉住啓作局長に報告書を渡し「多くの方々が一日も早い首里城の復元を願っている。早期の復元に向け、工程表の作成に必要な基本的内容を報告書に織り込んだ」と述べた。吉住局長は「沖縄総合事務局も復興に向けて取り組む」と応じた。

 報告書には、初期消火態勢を強化するため、正殿内に最先端の自動火災報知設備やスプリンクラーを設置する方針などを盛り込んだ。正殿の一部には沖縄在来種のイヌマキなどの木材を使う予定。前回も採用した台湾ヒノキや、沖縄在来樹種であるチャーギ(イヌマキ)、オキナワウラジロガシの調達も模索し、利用可能な木材の採用を求めた。
 検討委は昨年末から今月まで3回開催され、関連する「防災」「木材・瓦類」「彩色・彫刻」の3つのワーキンググループ(WP)も各2回ずつ開催された。主に施設の防火対策と復元のための材料調達の確保に関し議論が進められた。
 高良氏は報道陣の取材に対し、正殿などに使用する赤瓦について「(現在でも)一定の技術水準の物はできる。瓦は大丈夫だと思って工程表を作ってほしい」と話した。
 検討委は、世界遺産である首里城遺構の調査実施を県教育委員会に求めていたが、遺構を傷つける可能性を理由に拒否されたという。
 検討委は県内外の学識者や国、県、消防の関係者で構成された。

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