避難地の労苦を追体験 コロナに重ねマラリア理解も 石垣小児童

白水の避難地から市街地へ向かって歩く児童たち=21日午前

 世界平和デーの21日、石垣小学校の少年野球とサッカーチームの児童らが、第二次大戦中に島の住民たちが避難した名蔵川上流の白水地区を訪れ、戦争マラリア体験者の潮平正道さん(87)=石垣=から当時の体験談を聞いた。帰路は徒歩で市街地に向かい、当時の人々の労苦を追体験した。75年前、島で猛威を振るったマラリアを、現在の新型コロナウイルス感染拡大と重ね合わせて理解する児童もいた。

 潮平さんによると大戦中、白水には登野城、大川地区住民と官公庁関係者が避難した。潮平さんも父親が官公庁関係者だったため白水に避難し、マラリアに罹患(りかん)した。
 この日、現場周辺を訪れた児童と保護者は約30人。潮平さんは「ここに避難した人もたくさん死に、田んぼの脇に穴を掘って、目印を立てて埋めた。戦々恐々とした生活をしていた」と振り返った。
 日本軍の監視小屋があり、住民の出入りをチェックしていた。当時は食べ物が乏しく、射落とした鳥や昆虫も食べていたという。
 潮平さんの体験談を聞いたあと、児童たちは指導者や父母に引率され、市街地を目指して歩いた。
 小禄広大君(6年)は「昔の人の暮らしを知ることができた。マラリアも今の新型コロナのように感染拡大していたのだと思う。二度と戦争を起こさないように、意見が違う人とも交流したい」と話した。
 同校の野球チーム、少年荒鷲は毎年、世界平和デーに合わせ、保護者も交えて平和学習している。大濱明彦監督は「親子で平和について考えるきっかけになれば」と期待した。

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