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「尖閣守る意思示さなければ秩序崩壊」 元統合幕僚長・山崎氏 沖縄で安全保障講演

2026/03/08

日本の安全保障について基調講演した元統合幕僚長の山崎幸二氏=7日午後、ノボテル沖縄那覇

厳しさを増す国際情勢と日本の安全保障をテーマにした「沖縄安全保障シンポジウム」(主催・笹川平和財団、平和・安全保障研究所)が7日、那覇市内のホテルで開かれ、元統合幕僚長の山崎幸二氏が基調講演した。山崎氏は中国の海洋進出やロシアのウクライナ侵攻を踏まえ、「尖閣諸島を守るという姿勢を明確に示さなければ、世界の秩序はそこから崩れていく」と述べ、抑止力の重要性を強調した。

山崎氏は在職中、米軍関係者から「米軍にとって尖閣は単なる岩で、人も住んでいない。中国兵が上陸した場合、日本は撃つのか」と問われた経験を紹介。「私は『撃つ』と答えた」と語り、「もし日本が行動せず米軍も来なければ日米同盟は破綻する。世界の秩序が崩れていく」と指摘した。

中国の南シナ海進出については南沙諸島を挙げ、「当初は軍事施設ではないと言っていたが、完成後には軍事施設だと公然と認めた」と説明。歴史的にも大国が撤退して「力の空白」が生じた地域で中国が影響力を拡大してきたとし、「絶対に空白をつくってはいけない」と強調した。

核戦力についても言及し、中国が核弾頭の小型化を進め、日本の射程に入る弾道ミサイル能力を持つとされる現状を指摘。「核の脅威にさらされているという認識を持つ必要がある」と述べた。ロシアによるウクライナ侵攻では、核の威嚇を背景に北大西洋条約機構(NATO)に圧力をかけたとし、「戦術核の使用の敷居が低くなっている」と警鐘を鳴らした。

さらに、中国、ロシア、北朝鮮の軍事的連携が強まっていることにも触れ、「ロシアがウクライナ侵攻で使う武器の半分は北朝鮮製とも言われる。北朝鮮は実戦で多くを学び、不安定要因がさらに増している」と分析した。

台湾と南西諸島の地理的近接性にも言及し、台湾と与那国島の距離が約110キロであることを挙げ、「南西諸島の防衛体制は、日本の防衛体制そのものだ」と指摘。台湾有事の際に米軍が行動すれば、日本にとって存立危機事態に該当するとし、「それを明確に発信すること自体が抑止力になる」と語った。

日本の防衛政策については、政府が2022年に改訂した国家安全保障戦略など安保関連3文書を踏まえ、「反撃能力を含むスタンドオフミサイルの整備などを早期に実現する必要がある」と述べた。「いくら強いボクサーでも守っているだけでは負けてしまう」とし、防衛力整備と法制度の整備が抑止力につながると強調した。

講演の最後に山崎氏は「日本は世界の安全保障の第一線にいるという認識を持つべきだ」とした上で、「主体的な防衛体制の構築と、それを支える国民の理解が重要だ」と述べた。

シンポジウムではこの後、外務省沖縄担当大使の紀谷昌彦氏、国際日本文化研究センター教授の楠綾子氏、東京国際大学特命教授の村井友秀氏らが参加するパネルディスカッションも行われ、日本の安全保障を巡る課題について議論した。