出馬表明へ環境整備か 辺野古事故、現場で哀悼
辺野古船転覆事故後、初めて現地を訪問し手をあわせる玉城知事=21日夕、名護市瀬嵩の浜
米軍普天間飛行場の移設先、名護市辺野古沖で起きた抗議船転覆事故で21日、玉城デニー知事が現場海域に近い瀬嵩の浜を訪れて献花した。25日に知事選の3選に向けた正式な出馬表明を控えるタイミングでの現場訪問。玉城氏の支持基盤である「オール沖縄」勢力と事故の関係性が取り沙汰される中、現場で直接、犠牲者に哀悼の念を示すことで、出馬表明に向けた環境整備を図る狙いがあると見られる。
玉城知事は3月27日の定例記者会見で、同志社国際高校(京都府)の生徒が「平和学習」の一環で抗議船に乗っていたことの是非を問われ「抗議船というくくりで安全性に問題があるということではなく、抗議にも使われている船であるということ」と回答。危険な抗議活動が事故の遠因になったことへの言及はなかった。
4月10日の記者会見では、辺野古移設現場の視察について「沖縄県の平和学習の基本的な考え方と一致している」と言明。同志社国際高の「平和学習」への批判も避けた。
ただ、抗議船を運航するヘリ基地反対協議は、辺野古移設に反対する玉城知事を支える「オール沖縄会議」に所属。「オール沖縄」勢力の政治家らも、座り込みが行われている米軍キャンプ・シュワブ前を訪問して反対派を激励するなど、抗議活動を政治の場から側面支援してきた事実は否めない。
玉城氏自身も事故を受け、3月28日に予定していた出馬表明を延期。抗議活動や「オール沖縄」勢力への批判が高まるタイミングを回避したとの見方もあった。
玉城知事は今月20日に、事故を受けた安全対策の強化を求める意見書を可決した石垣市議会の要請に対応。抗議活動について「表現の自由は重要だが、法令を遵守し、安心安全を確保した上で非暴力の抗議を徹底してほしい」と述べた。
一方、県議会では野党・自民党から「辺野古の海上抗議活動を絶対させないという県の判断が必要だ」(島袋大県議)などと、事故再発防止に向けて県の踏み込んだ対応を求める声が出ている。