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【青年弁論大会】沖縄を守る日本人が忘れてはいけないこと

2019/05/23

 パレスチナと対立しているイスラエルの国境には壁があります。その壁には、さまざまな意味を含んだ落書きが描かれています。例えば、パレスチナの国旗を掲げ自由を求めるパレスチナ人の絵。その隣には、銃をパレスチナ人に向けるイスラエル兵士の絵。また、別の場所には、平和を象徴する鳩の絵があるのですが、その鳩は防弾チョッキを着せられ、その胸には銃口が向けられていることを意味する赤いレーザーサイトが描かれているのです。壁の近辺にはイスラエル兵士が銃を持ち、パレスチナ人を見張っています。少しでも壁を壊そうとしたり乗り越えようとしたりするものなら、射殺されてしまうことでしょう。パレスチナ人にとって日常は常に死と隣り合わせなのです。
 皆さんはお金さえあれば海外旅行に行くことは難しくないですよね?パレスチナ人にはそれができません。対立しているイスラエルの目があるためです。私はパレスチナの大学で、日本語を勉強している大学生に会いました。彼らは一生懸命ひらがなや漢字を学んでいました。彼らは日本に旅行に行きたくても行けません。日本人が当たり前にできることが彼らにはできないのです。
 また、皆さんは普段手帳を持ち歩き、1ヵ月先の予定も当たり前のように決めると思います。
 しかし、パレスチナ人は手帳なんか持ちません。決めるのは今日や明日の予定だけ。いつイスラエルにまた占領され殺されるか分からない。「自分には明日が来ないかもしれない」と潜在的に思っているのかもしれません。
 このような環境にいるパレスチナ人が、「基地があるから戦争が起こるんだ」なんて言うと思いますか?平和ボケしている日本人だからそのような声が上がるのです。