【視点】社会との絆が「生きがい」に

 中高年のひきこもり問題が注目を集めている。神奈川県川崎市の殺傷事件を起こした51歳の男が「ひきこもり」の状態にあったと報道され、この事件の影響で76歳の元農水事務次官が、ひきこもり状態にあった44歳の長男を刺殺した。ひきこもりと犯罪を安易に関連づけることは厳に控えなければならない。ただ、こうした悲惨な事件の真相解明を進める上で、ひきこもり問題を改めて見直すことも必要であるように思われる。
 内閣府が今年3月、40歳~64歳の中高年のひきこもりの人が全国で61万3千人いるという推計値を初めて公表した。男性が76.6%を占め、ひきこもり状態になったきっかけは退職が36.2%と最多だった。
 広い意味でのひきこもりは、病気などの事情を除き①趣味の用事の時だけ外出する②近所のコンビニなどには出かける③自室からは出るが、家からは出ない④自室からはほとんど出ない―という状態に当てはまり、6ヵ月以上経過した人と定義される。
 就職氷河期を経験したことも背景にあると見られ、期間は7年以上が半数近くを占め、長期化・高齢化が裏付けられた。15歳~39歳も含めたひきこもりの総数は100万人を超える可能性もあるという。
 内閣府の調査では、ひきこもりになったきっかけとして退職のほか「人間関係がうまくいかなかった」(21.3%)「職場になじめなかった」(21.1%)「就職活動がうまくいかなかった」(6.4%)などが挙がった。

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