地域情報 OKINAWA考古学(13) 前回の沖縄の海域で遺物を拾うのが危険なのかという問題提起の続き。沖縄がかつて日米の激戦地となっていたからだ。つまり、不発弾が今なお多く、むやみに触ると危険だからだ。 実際、2011年6月には那覇空港の手荷物検査で修学旅行生がバッグの中に機関銃の弾丸を持ち込み、金属探知機に引っかかり、警察が出動する騒ぎとなっている。調べに対し「座間味島付近の海岸で拾った。珍しいのでお土産に持って帰ろうと思った」と、… 2022/06/28
地域情報 多彩な凧が空を彩る 3年ぶり大会、愛好家ら集う 南ぬ浜町 第20回石垣島凧あげ交流会・第10回全国シャクシメー大会(主催・石垣島凧あげ大会実行委員会)が26日、南ぬ浜人工ビーチで3年ぶりに開催された。全国各地の伝統凧や独創的な創作凧などが石垣島の空を彩り、全国から集まった凧愛好家や地元の八重山凧愛好会、地元の子どもなど約200人で凧あげを楽しんだ。 八重山凧愛好会の仲間清隆会長によると、大会は沖縄地方で梅雨明けを知らせる季節風として知られる「カーチー… 2022/06/28
地域情報 OKINAWA考古学(12) 前回の続き。読者からの質問で二番目に多かったのが「勝手に持って帰ったら捕まるのだろうか」というもの。 そもそも、海底の遺物を持ち帰るというのは、「落とし物を拾う」行為に相当する。陸上で物を拾えば警察に届けるのが義務だ。では水中の場合はどうか。 まず、海岸等に有価物(割れていない皿や壺など)が漂着した場合は、遺失物法の適用を受ける。一方、有価物が漂流物又は沈没品として回収された場合は、水難救護法の適… 2022/06/27
地域情報 OKINAWA考古学(11) 連載開始からまもなく4カ月になろうとしているOKINAWA考古学。ここらで読者の皆様からのご質問に答えていきたい。多かったのが、この質問だ。 「掲載されている写真は難破船の残骸や割れた陶磁器などがほとんどだが、割れていないものが見つかった例はないのか?」 「海底遺跡の調査の歴史は新しく、まだまだ分かっていないことが多い。海底の遺物についても、どのような状態で見つかったのか。他に遺物はないのか。散布… 2022/06/26
地域情報 OKINAWA考古学(10) 先週に引き続き、沖縄本島うるま市沖合の南浮原島の海底に眠る難破船の遺物の紹介。沖縄県立埋蔵文化財センターの調査によると、海底の砂の中から船釘が2本露出しており、木製の船体の一部が残っていることが推察されるという。 また、海底の岩の間には透明なガラス製品や、鳥を模した装飾品などが見つかっている(写真1)。いつ頃の船なのか興味深い。 現場からは船体を安定させる重りとして使用されたバラストも見つかってい… 2022/06/25
地域情報 OKINAWA考古学(9) 今回は、沖縄本島近海の事例を紹介したい。うるま市勝連の沖に、南浮原島という小さな島がある(写真1)。 この島の海底に船体の一部や中国産陶磁器、ガラス製品、石のバラスト、鉄・銅製品などの近世・近代の遺物が確認されている。外国船が座礁・沈没したものと考えられる。岩盤が海面近くまで突き出た地形が多く、昔の船乗りには海の難所だったのだろう。海底には、鉄と考えられる物体に棒状の突起が2つあった。船体の一部と… 2022/06/24
地域情報 OKINAWA考古学(8) 多良間島北西部・高田海岸沖の海底遺跡。この海域で座礁・難破したオランダ商船ファンボッセ号の残骸と考えられる多量の遺物が確認されている。中国産陶器や、船の銅釘(写真1)、転覆を防ぐバラスト(重し)も見つかっている(写真2)。 なお、中には、用途の特定できない銅製品の破片も見つかっている(写真3)。一体、船のどこの部品だったのだろうか(写真提供=沖縄県立埋蔵文化財センター。同センター調査報告書第52集… 2022/06/23
地域情報 OKINAWA考古学(7) 先週お知らせした、多良間島北西部の高田海岸。難破したファンボッセ号は、上海からシンガポールに向かう途中だったとされている。沖縄県立埋蔵文化財センターでは、写真左奥に見える2つの岩の近くの海底で遺物を多数確認した。恐らく、この近くで座礁したのだと考えられる。 その1つが、中国産青花皿。絵付けが消えかけており、割れた部分が丸くなっていることなどから、海底で何度も摩擦を受けていたようだ。難破さえしなけれ… 2022/06/22
地域情報 OKINAWA考古学(6) 石垣島南西の黒島沖海底からも、多数の沖縄産陶器が密集した状態で見つかっている。種類としては、碗や壺、すり鉢などで、砂の中にたくさん埋もれていた。また、遺跡群の近くからは、木造船と思われる船体に一部も確認出来た(写真1)。 ヤンバル船と呼ばれる交易船が積荷を載せた状態で沈んでいる可能性があるというから、今後の詳細な調査が楽しみだ。当時の八重山諸島を往復していた船の形や、沖縄産陶器の運搬状況などを知る… 2022/06/21
地域情報 OKINAWA考古学(5) 潜水調査では、遺物が確認出来た場所に目印をつけ、散布している範囲を調べる(写真1)。海底に半分以上埋没している場合もあり、砂を払って遺物の確認を行ったり、2人がかりで連携を取りながら、GPSで位置記録を取ったりする。潜る時間が長くなるのも、むべなるかなだ。 ともあれ、努力の甲斐もあって、来間島沖の海底では、中国産青花皿、青磁碗、青磁香炉などを特定できている。大型の壺類も積んでいた船もあったと推定さ… 2022/06/20
地域情報 OKINAWA考古学(4) 宮古島南西に位置する小さな島、来間島。西部の海岸(写真1)には、16世紀前半と考えられる中国産陶磁器が多数確認されている。内面に十字花文が描かれた青花皿も漂着していた。浜辺の散歩が楽しくなりそうである。 海底も同様だった。沖縄県立埋蔵文化財センターが調査したところ、青花を中心に青磁・白磁・褐釉陶器などが見つかったのだ。琉球王国の全盛期には、中国と琉球との間に多くの貿易船が行き交った。同時期の県の陸… 2022/06/19
地域情報 OKINAWA考古学(3) 前回に続き、宮古島北方の巨大サンゴ礁群の八重干瀬での調査から。海底には船の残骸や、中国産陶磁器の他にガラス製のワイン瓶(写真1)も見つかっている。 中央の大きな丸いくぼみから瓶だと判別された。ガラスの中には大小様々な気泡が見られたという。 宮古島では、東部の吉野海岸に近世の陶磁器が散布している。また、海岸や海底には多量の方柱状や板状の石材、銅板などが見つかっていることから、昔の船乗りにとって海の難… 2022/06/18
地域情報 OKINAWA考古学(2) 当たり前ではあるが、海底だと足がつかない深さの場合がある。そうなると、連携作業が必要だ。遺物の位置を示す人と、海上でGPSを操作する人に分かれて記録していく。 更に、遺物が大きい場合は、こうやって2人がかりで潜ったまま目標物の計測や正確な実測図を作成していくのだ(写真1)。 遺物の種類は多岐にわたるが、グスク時代(11世紀から16世紀頃までの、琉球王国が成立し、王政が本格的に確立するまでの期間)以… 2022/06/17
地域情報 OKINAWA考古学(1) 東西に約千キロ、南北に4百キロの海域に大小様々な島が群在する沖縄県。先史時代より海を重要な生活や生産の場とし、琉球王国時代は交易で繁栄した歴史を持つ。 そんな沖縄沿岸部の海域には多くの遺跡が存在することが想定されている。沖縄県立埋蔵文化財センターでは、ユネスコが2009年1月に発効した「水中文化遺産保護条約」を受け、海底に眠る遺跡の分布状況や内容を把握する作業に乗り出している。 その調査は、根気強… 2022/06/16
地域情報 八重山産新米の販売開始 JA「日本一早い」需要回復期待 今年度産新米の販売が9日、JAファーマーズマーケット「ゆらてぃく市場」で始まった。JAによると日本一早い新米販売。石垣島と西表島で収穫された「ひとめぼれ」が店頭に並んだ。同店では、同日から19日まで新米フェアを開催し、豪華景品が当たる抽選会を行う。 2022/06/10
地域情報 安全は急がず焦らず怠らず 大里建設、サンシャイン表彰 3年ぶり八重山地区大会 7月1日から全国安全週間が展開されるのを前に、第30回八重山地区安全大会(主催・県労働基準協会八重山支部など)が8日、石垣市民会館中ホールで開かれた。同週間のスローガン「安全は急がず焦らず怠らず」のもと、労災防止の基本ルールを実行し「安全・安心なゼロ災職場をつくる」とする大会宣言を行った。 2022/06/09
地域情報 ヤシの実50個を投流 3年ぶり田原市から参加も 島崎藤村の詩「椰子の実」にちなみ、石垣島沖から黒潮の海流に乗せてヤシの実を流す「愛のココナッツメッセージ・パート35やしの実投流」(主催・渥美半島観光ビューロー)が2日午後、石垣島沖で行われた。新型コロナの影響でこの2年間は縮小開催となっていたが、3年ぶりに詩の舞台とされる愛知県田原市から14人が来島し、八重山住民と共にヤシの実を投流した。 2022/06/03
地域情報 「大切な水」理解深めて パネル展や施設見学会も 水道週間 「大切な水と一緒に暮らす日々」をスローガンに、水道に対する住民の理解を深めようと第64回水道週間が1日からスタートした。石垣市水道部(比屋根悟部長)は水道週間開始式を浜崎町の水道部庁舎前で開き、職員や水道関連事業者が参加した。7日までの期間中、全国一斉に水道関連のイベントが行われる。 2022/06/02
地域情報 新空港の利便性向上議論 10月に復帰50年記念事業も 新石垣空港活性化協議会(会長・中山義隆石垣市長)の初会合が26日午前、同空港国際線ターミナル1階で開催された。八重山3市町や石垣空港ターミナル株式会社、県関係部局が参加し空港の利便性向上について議論した。復帰50周年記念事業「空港のある地域2022沖縄八重山石垣会議」(仮称)の開催も報告された。10月開催予定。 協議会は新石垣空港(南ぬ島石垣空港)の課題解決を目指し関連機関が意見交換を行う目的で設… 2022/05/27
地域情報 町民運動会6年ぶり開催 「やまねこ」は3年ぶり 竹富町体育協会が総会 竹富町体育協会(会長・前泊正人町長)が24日、町役場で開かれ、同協会主催の第37回町球技大会、第20回町民運動会、第28回やまねこマラソン大会を6月~来年2月にかけて開催する方針を承認した。3大会は前回、新型コロナウイルス禍で中止や延期となっており、球技大会とやまねこマラソンは3年ぶり、町民運動会は6年ぶりの開催となる。 2022/05/25