視点 【視点】慰霊の日 平和のため何をすべきか 沖縄戦の終結からきょう23日で76年。島々が鎮魂の思いに包まれる「慰霊の日」が今年も巡ってきた。 沖縄本島では熾烈な地上戦が行われ、多くの住民が犠牲になった。八重山でもマラリア有病地帯に疎開した3000人余の住民が無念の死を遂げた。 戦没者は日米双方で20万人超とされる。「慰霊の日」は二度と同様の悲劇を繰り返してはならないという決意を新たにする日でもある。 沖縄戦を振り返る時、沖縄本島も八… 2021/06/23
視点 【視点】世界に羽ばたく離島出身者 石垣市出身で八重山商工卒の西武・平良海馬投手(21)が東京五輪の野球日本代表に内定した。平良投手は今シーズン、開幕から32試合連続無失点のプロ野球記録を達成したばかりで、相次ぐ朗報に故郷の石垣島は沸いている。 東京五輪には自転車ロードレースで石垣市出身の新城幸也選手(36)も出場を決めている。人口5万人弱の小さな島から同時に2人の日本代表が誕生するのは、快挙と呼ぶほかない。 コロナ禍で漂う沈… 2021/06/17
視点 【視点】中国のワクチン外交と台湾、沖縄 中国が台湾に露骨な「ワクチン外交」を仕掛けている。尖閣諸島問題で対中最前線にある沖縄県民にとっても、中台の緊張は他人事ではない。 新型コロナウイルスが再拡大している台湾はドイツ・ビオンテック製のワクチンを購入しようとしたが、中国の妨害で失敗した。蔡英文総統が明らかにした。 中国は自国製のワクチン使用を台湾に強要しているが、蔡政権は拒否し、両者の対立が深まっている。中国には、蔡政権に揺さぶりを… 2021/06/03
視点 【視点】5回目緊急宣言 島の医療守れ 政府は23日から6月20日までの期間、沖縄県を新型コロナウイルスの緊急事態宣言対象地域に追加した。沖縄はこれまでに独自の緊急事態宣言を3回出しており、政府が昨年4月、全国に発令した1回目の緊急事態宣言も含め、実に5回目の緊急事態宣言下に入った。 県内では25日、過去最多となる256人の感染が確認され、直近1週間の人口10万人当たり新規感染者数も全国ワーストと深刻な状況だ。5月の大型連休で人の移動が… 2021/05/26
視点 【視点】もはや感染爆発に近い八重山 「第4波」と言われる新型コロナウイルスの感染拡大が県内全域で深刻化している。県内の新規感染者数は19日、初めて200人を突破した。八重山でも5月に入り、20日そこそこで約120人もの感染者が確認される驚異的なペースだ。もはや感染爆発に近いと見るべきではないか。 県は19日、国に対し、緊急事態宣言の対象地域追加を要請した。県独自の宣言も含めると、今年1月以来、4回目の緊急事態宣言となる。前回の宣言は… 2021/05/20
視点 【視点】復帰49年 離島振興が最重要課題 沖縄は15日、復帰49年を迎えた。来年の復帰半世紀がいよいよ目前に近づいてきたという感じだ。 玉城デニー知事は復帰49年に当たってコメントを出し、復帰後、社会資本の整備が進み、観光・リゾート産業や情報通信関連産業が成長したことを評価。一方で課題として米軍基地の過重負担をはじめ、全国に比べ低い県民所得、子どもの貧困などを挙げた。 復帰後、沖縄の発展はめざましい。国境離島というと本来は「辺境の地… 2021/05/19
視点 【視点】石垣市も「重点措置」適用対象に 県は、新型コロナウイルスの「まん延防止等重点措置」適用地域に石垣市を追加した。石垣市では5月に入って感染拡大が続いているが、今後、さらに大型連休期間中の感染者が急増する可能性も指摘されている。「第4波」とされる波に歯止めを掛けることができるか、正念場を迎える。 「重点措置」は業態や地域を絞って新型コロナウイルスの感染を抑え込むために新設された制度で、緊急事態宣言の前段階となる。沖縄県は4月9日… 2021/05/11
視点 【視点】強盗と異ならない中国の論理 日米同盟の強化を確認した菅義偉首相とバイデン米大統領の首脳会談に対抗するように、中国の尖閣諸島(石垣市)侵奪を目指す動きがさらに活発化してきた。 27日、沖縄本島と宮古島間を通過した中国空母「遼寧」から発艦したヘリが尖閣諸島周辺上空を飛行し、空自戦闘機が緊急発進(スクランブル)した。 26日には、中国自然資源省が尖閣諸島と周辺海域を独自に測量した調査報告書を発表し、地形図や画像を公開した。 … 2021/04/29
視点 【視点】「重点措置」適用 正念場の沖縄 沖縄で新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない状況を受け、政府が「まん延防止等重点措置」を適用する方針を決めた。本島中南部を中心に襲来している「第4波」は、現状のままだと過去最大の「波」になりかねず、緊急事態宣言に至る手前で食い止められるかが正念場を迎える。 「重点措置」は2月13日施行の改正特別措置法で新設された。市区町村単位などに範囲を絞り、対策を実施できる。感染状況や医療への負荷を考慮し… 2021/04/10
視点 【視点】コロナ禍 新年度も厳しい船出 きょう4月1日から2021年度が始まる。前年度に続き、コロナ禍の中でスタートする年度になり、県、八重山3市町とも厳しい船出になるが、新型コロナウイルスと闘ってきた1年の経験を生かし、難局を打開する知恵を絞りたい。 沖縄の基幹産業である観光は新型コロナで大打撃を受けた。20年の観光客数は373万6600人で前年比63・2%減となり、1千万人を突破した19年から一転、過去最大の落ち込みを記録した。… 2021/04/01
視点 【視点】コロナ「第4波」 離島への飛び火懸念 県独自の緊急事態宣言が終了して、わずか1カ月。沖縄本島で新型コロナウイルスが急激に再拡大している。玉城デニー知事は29日の記者会見で、初めて「第4波が到来した」と表明。本島20市町村の飲食店や遊興店に再び営業時間短縮要請を出した。 県は昨年4月、8月、今年1月の3回、独自の緊急事態宣言を出した。今回が4回目の「波」ということだ。 過去3回の「波」では、いずれも大都市圏や沖縄本島の感染拡大が離… 2021/03/31
視点 【視点】宮古島の感染拡大が深刻に 宮古島市で新型コロナウイルス感染が急拡大している。離島は医療体制が脆弱で、感染者の急増は医療崩壊の危機に直結する。同じ離島の八重山住民も大変心配しており、一刻も早く事態が改善するよう祈らずにはいられない。 感染者数は26日が34人、27日が33人で、26日は宮古島の感染者数だけで県全体の4割を占めた。26日までの直近1週間の新規感染者数は、人口1人当たりで東京の約3倍に達した。全国最悪のペース… 2021/01/28
視点 【視点】「ゼロコロナ」は可能か 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、県独自の緊急事態宣言が出るなど、沖縄の状況も日々悪化している。通常なら観光客でごった返す那覇市の国際通りも人通りが途絶え、多くの店舗がシャッターを下ろし、まるでゴーストタウンのようだ。観光立県の沖縄で、こんな光景を見る日が来ようとは想像もしていなかった。 石垣市の歓楽街・美崎町もひっそりと静まり返っている。竹富町の島々ではツアーキャンセルが相次ぎ、ほとんどの… 2021/01/23
視点 【視点】感染と経済対策、車の両輪で 新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大を受け、政府は7日、東京など1都3県に緊急事態宣言を発令した。新規感染者数は全国で連日、過去最多を更新しているが、沖縄でも6日に11月28日以来となる70人台に達し、7日も60人台と高止まりしている。離島の石垣市でも感染者の増加に歯止めが掛からず「第3波」が国内の津々浦々に及んでいる現状が浮き彫りになった。 第1波では国内外の観光客がウイルスを持ち込む「移入例」… 2021/01/08
視点 【視点】懸念される経済への打撃 政府が東京など1都3県に、新型コロナウイルスの緊急事態宣言を発令する見通しになった。昨年4月以来の緊急事態宣言で、今回は全国が対象ではないものの、首都圏は日本経済の心臓部である。大勢の人たちが営業や移動の自粛を強いられることになり、経済への相当の打撃は覚悟しなくてはならないだろう。 この時期に宣言を再発令することで、果たして感染拡大は止まるのか。経済への手当てはどこまで可能なのか。国民の不安は大き… 2021/01/05
視点 【視点】勝負の年末年始、感染抑止を 八重山で新型コロナウイルスの新規感染者が23日から1週間連続して確認されており、県立八重山病院は「市中感染が始まっている」との認識を示した。このまま感染者数が増加すれば医療崩壊が起きかねないと懸念し、年末年始は飲み会などを避け、静かに過ごすよう求めている。住民も「勝負の年末年始」だと意識して感染予防対策に努めてほしい。 石垣市の中山義隆市長は28日の仕事納め式で「今年を振り返ると、世の中の話題… 2020/12/30
視点 【視点】沖縄も対岸の火事でない香港問題 中国が香港民主派への弾圧を強めており、欧米から批判の声が強まっている。国民の政治活動を力ずくで封じ込める中国政府の姿勢は、石垣市の尖閣諸島周辺で日本の漁業者を威嚇し、自国の権益を拡大しようとする中国公船の活動に通じるものがある。根っこは一つだ。隣国に対して強圧的な態度で臨むのは、非民主的な国家の特徴でもある。香港は沖縄にとって対岸の火事ではない。 香港では、当局が中国に批判的な香港紙の創業者、… 2020/12/05
視点 【視点】尖閣 沖縄が主体的に発信を 来日した中国の王毅国務委員兼外相が、石垣市の尖閣諸島について中国の領有権を主張し、周辺海域で操業する日本漁船への威嚇行為を正当化した。日中友好に水を差す発言であり、許し難い。石垣市議会は抗議決議することを決めたが、尖閣諸島を行政区域とする地元自治体として当然だ。 王氏は日中外相会談後の記者会見で「一部の真相が分かっていない日本漁船が釣魚島(尖閣諸島の中国名)周辺の敏感な水域に入る事態が発生して… 2020/11/28
視点 【視点】「第3波」当面は経済優先維持を 大都市圏を中心に連日千人超の新型コロナウイルス感染者が確認されており、全国的に「第3波」襲来の様相が鮮明だ。玉城デニー知事も20日、県内の現状について「まぎれもなく第3波」との認識を示した。 政府は24日、観光支援事業「GO TОトラベル」の対象から感染状況が特に悪化している札幌、大阪の2市を一時除外し、新規予約を同日から12月15日まで3週間停止。予約済み旅行は12月2日から15日現地着分まで割… 2020/11/27
視点 【視点】「現状維持」は最悪の選択肢 尖閣諸島周辺の接続水域で、中国公船「海警」の航行日数が19日、今年に入り300日に達した。今や台風などの悪天候時を除き、尖閣周辺では常に中国公船が航行している。中国公船は海上保安庁の巡視船と同様、尖閣周辺での「常駐体制」をほぼ確立したと見ていい。 言うまでもなく、尖閣諸島は石垣市の行政区域だ。だが21世紀にもなって、他国が実力行使で石垣市の行政区域を侵奪しようとしている。県民にとっては目をそむ… 2020/11/21