コラム OKINAWA考古学(6) 石垣島南西の黒島沖海底からも、多数の沖縄産陶器が密集した状態で見つかっている。種類としては、碗や壺、すり鉢などで、砂の中にたくさん埋もれていた。また、遺跡群の近くからは、木造船と思われる船体に一部も確認出来た(写真1)。 ヤンバル船と呼ばれる交易船が積荷を載せた状態で沈んでいる可能性があるというから、今後の詳細な調査が楽しみだ。当時の八重山諸島を往復していた船の形や、沖縄産陶器の運搬状況などを知る… 2022/06/21
コラム OKINAWA考古学(4) 宮古島南西に位置する小さな島、来間島。西部の海岸(写真1)には、16世紀前半と考えられる中国産陶磁器が多数確認されている。内面に十字花文が描かれた青花皿も漂着していた。浜辺の散歩が楽しくなりそうである。 海底も同様だった。沖縄県立埋蔵文化財センターが調査したところ、青花を中心に青磁・白磁・褐釉陶器などが見つかったのだ。琉球王国の全盛期には、中国と琉球との間に多くの貿易船が行き交った。同時期の県の陸… 2022/06/19
コラム OKINAWA考古学(3) 前回に続き、宮古島北方の巨大サンゴ礁群の八重干瀬での調査から。海底には船の残骸や、中国産陶磁器の他にガラス製のワイン瓶(写真1)も見つかっている。 中央の大きな丸いくぼみから瓶だと判別された。ガラスの中には大小様々な気泡が見られたという。 宮古島では、東部の吉野海岸に近世の陶磁器が散布している。また、海岸や海底には多量の方柱状や板状の石材、銅板などが見つかっていることから、昔の船乗りにとって海の難… 2022/06/18
コラム OKINAWA考古学(2) 当たり前ではあるが、海底だと足がつかない深さの場合がある。そうなると、連携作業が必要だ。遺物の位置を示す人と、海上でGPSを操作する人に分かれて記録していく。 更に、遺物が大きい場合は、こうやって2人がかりで潜ったまま目標物の計測や正確な実測図を作成していくのだ(写真1)。 遺物の種類は多岐にわたるが、グスク時代(11世紀から16世紀頃までの、琉球王国が成立し、王政が本格的に確立するまでの期間)以… 2022/06/17
コラム OKINAWA考古学(1) 東西に約千キロ、南北に4百キロの海域に大小様々な島が群在する沖縄県。先史時代より海を重要な生活や生産の場とし、琉球王国時代は交易で繁栄した歴史を持つ。 そんな沖縄沿岸部の海域には多くの遺跡が存在することが想定されている。沖縄県立埋蔵文化財センターでは、ユネスコが2009年1月に発効した「水中文化遺産保護条約」を受け、海底に眠る遺跡の分布状況や内容を把握する作業に乗り出している。 その調査は、根気強… 2022/06/16
コラム 尚本家 沖縄に寄せる思い ① 沖縄県民について~私の想い~ 皆さん、こんにちは。先日元旦号で初めて尚元王家宗家当主として、今まで胸に秘めていた想いをお話しさせて頂きました。 元旦号ではお伝えしきれなかった部分もあるかと思いまして、この機会にお伝えしなければならないと感じ、再び寄稿させて頂きました。 私が沖縄県民の方々をどう思っているのか気になさる方々も多いと思います。 私は沖縄県民の皆様をとても大切に思っております。私にとって、我が祖先の歴代王様方… 2022/01/19
コラム 琉球国宰相 帰化人説を否定 中国影響「定説より小さい」 15世紀の琉球王国に明国から派遣され、首里城の龍潭や那覇の長虹堤(ちょうこうてい)を造成したとされる国相・懐機(かいき)について、長崎純心大の石井望准教授(尖閣史)が当時、王子として領地を与えられていた尚泰久(1415~1460)と同一人物だとする新説を公表した。石井氏は「琉球王国に対する中国の影響は、現在考えられているよりはるかに小さかった」としている。 懐機は1427年から51年まで長期に… 2021/02/09
コラム 【ゆいまーるリレー】想いプラスαをカタチに グラフィックデザイナー 唯木律子さん(44) 平成12(2000)年夏、石垣島。 24歳、職なし。 握りしめた10万円。 笑顔。 強い意志。 そこから始めた。 街中の看板、旅行パンフレット、居酒屋のメニュー、包装紙…。 どこで何を目にしても、常に考えてしまう。 パンフレットを目にすると、手当たり次第に持ち帰る。 「デジタルの広告はその場で見て終わりだが、紙は残るし、質感やそれ自体を感じたい」 実践を積み重ね、島の人たちに支… 2021/01/29
コラム 【ゆーばいぶじの独り言】冬の大三角とカノープスを見よう! 石垣島の星一徹こと小西覚(1958年生まれ) 南の空には冬の大三角が見やすい時期になってきましたね。全天で一番明るい星、おおいぬ座の1等星「シリウス」、オリオン座の左上の赤い星「ベテルギウス」、こいぬ座の「プロキオン」で冬の大三角、その三角形を矢印にアルファベットのYをイメージして南の水平線に目をやると、全天で2番目に明るいりゅうこつ座の「カノープス」が輝いています。 中国ではこの星を「南極老人星」といい、縁起がいい星と言われています。それ… 2021/01/29
コラム 海自配備 抑止力向上に貢献 尖閣 実効支配強化策を エルドリッヂ氏 八重山防衛協会が昨年、八重山地区への海上自衛隊誘致を防衛省に要請した。海自配備にはどのような意義があるのか。八重山日報社は17日までに、元在沖米海兵隊政務外交部次長のロバート・エルドリッヂ氏に見解を聞いた。 2021/01/28
コラム 【ゆーばいぶしのひとり言】しぶんぎ座流星群にチャレンジ! 石垣島の星一徹こと小西覚(1958年生まれ) チャレンジ 1月3日夜中~4日夜明け前(特に午前3時頃がオススメ) ※満月後の大きい月があるので見づらいかも… しぶんぎ座流星群も三大流星群の一つですが、他の三大流星群よりは活動時期が短く年によって流れ星の数が多かったり少なかったりバラバラようです。極大日は3日(日)の夜中から4日(月)の朝方になり、見頃の時間は4日(月)の夜明け前で午前3時~6時頃になるでしょう。1時間で最大20個位の流れ星が… 2020/12/30
コラム 【ゆーばいぶしのひとり言】ふたご座流星群にチャレンジ! 石垣島の星一徹こと小西覚(1958年生まれ) 私はVERA石垣島観測局の技術支援でブラックホールの観測のお手伝い、夜はANAインターコンチネンタル石垣リゾートで星空案内人をしている、南十字星が大好きなおじさんです。これから八重山の星空や、天体のことつぶやいていきますのでよろしくお願いします。 ■チャレンジ1 12月13日夜~14日夜明け前(特に午前2時頃がオススメ) ■チャレンジ2 12月14日夜~15日夜明け前(同上) &nb… 2020/12/10
コラム 「ウイルス逃さぬ」厳重防疫 クルーズ船乗客、帰宅に厚い壁 台湾通信54 特別編 ジャーナリスト迫田勝敏 クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」での武漢肺炎の集団感染で防疫対策の杜撰(ずさん)さを指摘する日本批判が海外から相次いでいる。対照的なのは台湾。17年前の重症急性呼吸器症候群(SARS)の苦い経験もあって「そこまでやるのか」と思えるほどの厳しい防疫対策を採っており、成果も上がっている。 2020/02/27
コラム 沖縄、唯一ではなく「ベスト」 場所や役割、意義説明を 海兵隊駐留 米海兵隊が使用する普天間飛行場の辺野古移設に反対する玉城デニー知事は、5月31日の定例記者会見で、改めて海兵隊の沖縄駐留は不要との見解を示した。八重山日報社は、元米海兵隊太平洋基地政務外交部次長のロバート・D・エルドリッヂ氏に、知事発言の受け止めを聞いた。 2019/06/08
コラム 【本音のコラム】台湾同性婚合法に賛否 東アジアで最も親日的といわれる台湾は、街並みや風景が日本とよく似ているといわれる。しかし繁華街に立ち、行き交う人々をよく観察してみると、ここが日本でないことを再認識することになる。妙齢の女性同士が腕を組んだり、手をつないだりして妙に親密そうだ。男性同士も同様の姿であからさまだ。現在の台湾は同性愛に寛容だといわれており、街頭で気に留める人もいない。 職場にも同性愛の社員、職員がいても不思議でなく… 2019/06/08
コラム 【提言】新元号「令和」に思う 参議院議員 山田宏 5月1日より「令和」という新しい元号となります。ご存じのようにこれまで「元号」は、漢籍(中国の古典)からのみ選ばれてきましたが、今回史上初めて、国書である『万葉集』から選ばれました。 『万葉集』は現存する日本最古の歌集というばかりでなく、その中は天皇や貴族だけでなく、庶民の歌まで数多く採録されています。これは素晴らしい日本の伝統です。今回「令和」の出典となった『万葉集』巻第五の梅の花32首も、… 2019/04/26
コラム 保守とは「現実主義者」 中国の脅威防ぐ展望を 櫻井よしこ氏 尖閣諸島や米軍基地問題について、ジャーナリストの櫻井よしこさんは、穏やかな語り口ながら力強く論じる。話題は、保革両陣営で候補者選びが進む県知事選へ。 ―沖縄県の政治を大きく左右する、県知事選が控えています。 「沖縄の皆さんに知ってほしいのは、革新の人たちが沖縄を狙っていること。革新は、日米安保闘争、成田闘争などで敗れて本土で行き場がなくなり、最後のイデオロギー闘争の場として沖縄を死守しようとしてい… 2018/06/09