空、海の便 乗客1.5倍 観光客受け入れ再開 八重山3市町

到着ロビーに降りた乗客(右)に感染予防のチラシを渡す石垣市職員=1日、新石垣空港

 八重山3市町は1日、新型コロナウイルス感染拡大で観光客に求めていた来島自粛要請を解き、受け入れを再開した。新石垣空港と石垣島離島ターミナルでの空、海の便の乗客は自粛要請中の前日の1.5倍に増えた。本土直行便はまだ運休中で観光客の姿は少なく、観光関連業者も営業再開に踏み切った店と様子見をする店で対応が分かれた。

 ■新石垣空港
 午前8時15分に到着した那覇線からは85人の乗客が降り立った。朝1番の便ということもあり、ほとんど沖縄本島からのビジネス客で観光客の姿は見られなかった。石垣市の職員が到着ロビーで待ち受け、感染予防を促すチラシを配った。
 県内便は那覇線が往復1便増えて計9便になった。この日の石垣到着便の乗客は計500人で前日までの1・5~2倍に増え、受け入れ解禁を印象づけた。本土直行便は5日から断続的に運航再開されるまで運休が続き、観光客の本格来島は先になりそうだ。
 ■離島ターミナル
 この日、石垣港から竹富町の各島に向かう定期船の乗客は700人。400人だった前日の1・5倍に膨らんだ。発着場では町の委託業者が乗船前の乗客の検温を行っていた。
 便は石垣―小浜で往復1便増えるなど8便追加され、6島で計26便になった。
 ■観光地
 石垣市の景勝地、川平湾を臨む川平風致公園は前日に閉鎖が解かれた。まとまった数の観光客は望めず、4つのグラスボート業者のうち再スタートに踏み切ったのは「青いさんご礁」の1業者にとどまる。地元客限定で乗船料を半額にするサービスを実施し、客の確保に躍起になっている。従業員の長嶺真樹さんは「客が来るかどうか読めなかったが、とにかく開けてみようと始めた」と述べる。
 主な観光施設は再オープンを見合わせた。名蔵の「やいま村」は再開日を20日にする方向で検討している。石垣の「石垣島鍾乳洞」は6月末まで休業を続ける予定。客の戻りによって再開の前倒しもあり得るという。
 ■ホテル・飲食店
 休業中の石垣市の主要ホテルの中で営業再開したのは5軒。新川の「フサキビーチリゾートホテル&ヴィラズ」は十数人の宿泊客を迎えた。大半が本土からの観光客だという。塩田和巳総支配人は「採算は合わないが、走りだす選択をした。感染予防に万全を期す」と話した。
 大川の郷土料理店「南の島」は市の営業再開容認を受けた5月11日から昼限定で店を開いている。地元客中心で、経営者の玉代勢光子さん(68)は「従業員の感染防止が最優先。本土からのお客さんはもっと落ち着いてからでいい」と語った。
 ■ユーグレナモール
 アーケード内の多くの土産店が一斉にシャッターを開けた。「いしがきいちば」の坂田紀仁子店長(32)は「観光客の本格的な来島は先になると分かっていたが、感染予防対策は急にはできないので準備期間としてオープンした」と話した。
 鮮魚店が地元産のマグロを売り出し、客が列をつくるなどにぎわいの戻る兆しを見せる。

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