西表ルール 全町に拡大 チップ装着、登録促す 竹富町ねこ条例

西表ルールの適用拡大で保護意識の高まりの恩恵を受けるイリオモテヤマネコ(西表野生生物保護センターのホームページより)

 竹富町は西表島の国天然記念物イリオモテヤマネコの保護を目的に島内の飼い猫を管理する「町ねこ飼養条例」の西表ルールの一部を全町の島々にも適用させる検討を始めた。猫にマイクロチップを埋め込み、町への登録を促す。条例改正案を町議会12月定例会に出す考えだ。

 改正点は西表島の飼い猫に限定しているマイクロチップの装着と登録制を町内の他島にも適用対象を広げる。室内飼育も促し、野良猫化を防ぐ。
 西表島への猫の持ち込みは島民が飼う目的の場合のみ認められ、観光客らの一時持ち込みを禁じる。飼育できる匹数は西表島で現行の10匹以内から5匹以内に減らし、他島では10匹未満に限る。
 町は条例改正の検討委員会を設け、8月に案をまとめた。新型コロナウイルス感染拡大で開催できない住民説明会に代わり、概要を示す動画をつくって動画配信サイト「ユーチューブ」で流すほか、DVDにして各島の集落に配る。町民からパブリックコメントを募って最終案を練り、議会に提出する。
 西表ルールはほかにもワクチン接種、室内飼育できない猫の避妊去勢手術の実施などの項目が盛り込まれているが、他島への適用拡大はマイクロチップ装着と登録制にとどめる。
 西表ルールは野性のイリオモテヤマネコと野良猫が交配したり、感染症が広がったりするのを抑えようと、西表島限定で2008年の条例改正で設けられた。年間に島内で捕獲された野良猫は改正前の128匹(05年)から3匹(19年)に減り、飼い猫管理の効果が表れている。
 この成果を他島にも広げ、野良猫による生態系への悪影響、ふん尿被害、感染症発生を抑制する目的で町は西表ルールの一部の適用拡大に踏み切る。

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