「生活実感」を議場へ 竹富町女性議会、8人が直球提言
女性目線で鋭い質問を当局に投げかけた=23日、竹富町役場議事堂
竹富町議会(大久研一議長)主催の女性議会が23日午後、町役場議事堂で開かれ、30~60代の町民女性8人が登壇。高齢化・子育て・観光・環境・災害対応など、離島ならではの課題を生活目線で次々と突き付けた。会場では、行政答弁に対し「現場の実態に追いついていない」との指摘が相次ぎ、男女共同参画の取り組みを問う場面では、登壇者の山城まゆみ氏が「(答弁が)ぬるい」と一蹴。当局が追加説明に追われる一幕もあった。
冒頭、大久議長は「女性がまちづくりに参画する機会を広げ、現場の課題を行政と共有するのが狙い」と趣旨を説明。傍聴席には波照間中学校3年生や現役議員も来場し、質問者の発言に耳を傾けていた。
質問は、介護・医療の体制づくり、外国人労働者の地域定着、観光の公平性、公園・遊具整備、フリーライド事業者の課題、河川・海の水質保全、赤土流出対策、周産期支援、外来種(クジャク・カラス)対策、空き家活用や住宅確保、町民バスや物流の改善など多岐にわたった。
行政側は「総合計画への反映」「制度・財源との整合」「人材・体制の制約」などを理由に慎重答弁が目立ったが、参加者からは「相談しやすい窓口づくり」「データ収集の強化」「島内人材の活用」「実証と改善の繰り返し」を求める現実的な提案が相次いだ。
前泊正人町長は「『検討』で終わらせず、前向きに取り組む。女性議会は毎年、将来は青年議会も」と継続開催に意欲を示した。提案の反映に向け「行政が先頭に立ち、町民と一体で汗をかく」と約束した。