ヤマネコ像、新たなランドマークに 万博仏館作品を730交差点に設置 竹富町
大阪・関西万博フランス館で展示されたイリオモテヤマネコ像の除幕式=30日午前、石垣市730交差点前
竹富町は30日午前、石垣市の730交差点前で2025年大阪・関西万博のフランスパビリオンで展示されたイリオモテヤマネコ像の除幕式を開いた。国際舞台で注目を集めた作品の帰還を受け、自然と人との共生を象徴する新たなランドマークとして、町民や観光客に親しまれることが期待されている。
式典には、フランスパビリオン政府代表最高責任者ジャック・メール氏、彫刻家の瀬戸優氏、株式会社ゴールドウインの森光COO、前泊正人町長らが出席。
竹富町とゴールドウインが結んだ包括連携協定に基づき、町の環境理念を体現する「竹富町サステナブルマーク」の関連商品がザ・ノース・フェイス、ヘリーハンセン石垣で発売することも発表された。
前泊町長は「竹富町の理念である〝島々の誇りと個性が輝き、大自然と文化と暮らしが響きあう町〟を世界に伝える貴重な機会となった」と語った。
メール氏は「昨年、竹富町とともに八重山の魅力を世界に発信する約束を交わした。それが形になったことをうれしく思う」と感謝を表明。万博会期中には467万人が来場し、オンラインでも毎日約5万9000人が閲覧したと紹介した。
作品を手掛けた瀬戸氏は「100年、1000年と残る像として、野生の〝生きている証〟を形にしたかった。夜の森を歩く姿を通じ、命の鼓動を感じてほしい」と話した。
森COOは「この像はフランス、竹富町、ゴールドウインの絆の象徴。将来、像でしか残らない未来をつくらぬよう、私たちも自然を守る責任を果たしたい」と強調。ゴールドウインは2017年に730交差点前に直営店を開設し、昨年竹富町と連携協定を締結。販売収益の一部を町の環境活動に寄付しており、「竹富町の美しい自然を次世代に残すため、今後も共に歩みたい」と述べた。