Close
  1. 八重山日報
  2. 社会
  3. 一般
  4. 種子取祭 奉納芸能が開幕 祭り一色、豊作祈願 竹富島

種子取祭 奉納芸能が開幕 祭り一色、豊作祈願 竹富島

2025/11/18

玻座真芸能保存会による馬に乗り飛び跳ねるしぐさの「馬乗者(ンーマヌシャ)」=17日、世持御嶽前

国の重要無形民俗文化財で600年以上の歴史があるとされる竹富島最大の祭「種子取祭(タナドゥイ)」の奉納芸能が17日、世持御嶽の特設会場で始まった。島民や郷友のほか、観光客など大勢の人が集まり、島は祭り一色となった。

種子取祭は、種をまき、無事に育つことを祈願する行事で旧暦の9月か10月の庚寅(かのえとら)、辛卯(かのとう)の2日間(新暦の10~11月頃)を中心に行われる。奉納芸能は17、18の両日に開催する。

この日は午前10時時半過ぎに内盛正亀公民館長ら役員一行が太鼓と銅鑼を鳴らして集落を回る参詣を終えて世持御嶽に到着し、「庭の芸能」がスタートした。
庭の芸能では青年らによる「棒術」で場を清め、竹富小中学校の「太鼓」、仲筋支会の働く女性を表した「マミドー」、西支会の琉球王に拝謁する喜びを表現する「ジッチュ」、東支会の農耕作業の様子を映す「マサカイ」、石垣竹富郷友会の「祝い種子取」、仲筋支会の女性同士が力勝負する「腕棒(ウディボー)」、玻座真芸能保存会の馬に乗り飛び跳ねるしぐさの「馬乗者(ンーマヌシャ)」が次々に奉納された。

午後0時ごろからは玻座真村による奉納芸能が開始となり、五穀豊穣の神が子ども達を引き連れて登場する「ミルク奉納」から幕開けした。その後も竹富島の農具の伝来を示し、鍬を打つ「鍛冶工(ガザグ)」、畑を耕す「組頭(フンガシャ)」、種をまく「世持(ユームチ)」、収獲を祝う「世曳(ユーヒキ)」などで島の歴史を再現した。

そのほか狂言(キョンギン)や組踊など、役者の迫力ある演技や多彩な踊りが披露された。

竹富公民館の内盛館長は「私たちが健康で明日から活力ある日を過ごせるように願い、ともに種子取祭を祝いたい」とあいさつした。