中山市長、知事選に意欲 選考委で候補の1人に 現県政「転換を」
報道陣の取材に応じる中山市長=28日夕、市役所
来年の知事選に向け、保守系の候補者選考委員会(金城克也委員長)が絞り込んだ候補者5人の中に入った石垣市の中山義隆市長は28日、報道陣の取材に応じ「選ばれれば(出馬の意思は)ある」と述べた。中山市長が公の場で知事選出馬への意欲を明言するのは初めて。選考委は1月11日に5人との面談を行い、投票で候補者1人を選出する。
この日、金城委員長から中山市長に直接電話があり、候補者5人の中に入ったことを伝えられた。来月の面談への出席も要請されたという。
知事選候補に名前が挙がったことについて「これまでの市長としての仕事を評価されてのことと受け止めており、光栄に思う」と述べた。
報道陣から現県政に対する問題意識を問われ「行政のスピード感がなく、業務が停滞していると感じる。辺野古移設問題にこだわり、国政との信頼関係が崩れ、思うように予算も獲得できず、政策も実現できていない」と指摘。「県政は転換しなくてはならない」と主張した。
中山市長は8月の出直し市長選で5選されたばかり。この段階での知事選出馬に関しては「自分で手を上げたのではなく、他薦で名前が挙がったので了承した」と説明した上で「知事選は来年9月なので、市長選からそれほど短期間だとは思っていない。それまで市政はしっかり守る」と述べた。
沖縄では、離島を基盤とする政治家が知事や知事候補になった前例はない。中山市長は「知事になれば一段上のレベルで仕事をすることになるが、八重山や石垣市のこともしっかりと取り組める。自分の足場を離れるという感じはない」と強調した。
支持者や関係者には知事選候補になったことは伝えているという。選考委の面談には出席するとした上で、今後の具体的な動きに関しては「選考委が決定することなので、結果を見守りたい」と述べるにとどめた。
選考委によると、次回選考委は1月11日午前9時から那覇市で開催される。5人への面接は一人ずつ、一人10分程度行う。この日のうちに投票で候補者を選出する予定。
中山氏は2010年、石垣市長に初当選した。県内11市の市長の中で在任期間は最も長く、現在、県市長会会長を務めている。