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【視点】改憲論議加速のチャンス

2026/05/03

高市早苗首相(自民党総裁)は4月の自民党大会で憲法改正に触れ「時は来た。改正の発議について何とかめどが立ったと言える状態で来年の党大会を迎えたい」と述べた。改憲に積極的な首相のもと、自民党は衆院で3分の2超の勢力を獲得している。今年こそ改憲に向けた具体的な動きが見られるのだろうか。

与党は参院では少数のままなので、依然として与党だけで改憲を発議するのは容易ではない。だが衆院選での高市政権圧勝が、改憲論議を加速するチャンスであることは間違いない。

1947年5月3日に憲法が施行され、79回目の憲法記念日を迎えた。もう80年近い歳月が流れているのに、憲法は一度も改正されたことがない。その理由は、憲法改正に衆参両議院の総議員の3分の2以上による発議、国民投票で過半数の賛成という厳格な要件が課されているためだ。

戦力の不保持と戦争放棄を定めた憲法が、悲惨な第二次大戦を経験した国民に広く受け入れられてきた歴史的背景も大きい。この憲法は「平和憲法」と呼ばれ、憲法さえ順守すれば国内外の平和が保たれるかのような印象を国民に与え続けてきた。

しかし約80年を経た現在、憲法は日本や周辺地域の平和や繁栄を守る上で、むしろ足かせになっているのはないかと思われる場面が増えている。

日本が「平和憲法」に縛られた現状に乗じ、沖縄の周辺で中国が急速に軍事力を拡大している状況は、今や日本の安全保障にとって最大の懸念事項だ。

80年前に「新憲法制定」を主導した米国は、日本が再び脅威にならないよう、非武装イコール平和という理念を憲法にしみ込ませた。しかし東西冷戦という現実の前に、その理念はあっという間に頓挫し、米国は日米安保条約の締結という形で、日本防衛に関与せざるを得なくなった。

自分の国を自分で守れない日本は、防衛のため米国の駐留を認めざるを得ず、沖縄が重い米軍基地負担という形でそのツケを支払わされている。沖縄もまた「平和憲法」の犠牲者であると言えなくもない。

沖縄戦という歴史的背景を抱える沖縄では長年、自衛隊への誹謗中傷が続いた。自衛隊が県民から確固とした信頼を勝ち得た現在も、自衛隊を地域行事から排除しようとする動きが絶えない。

こうした状況に終止符を打たなくてはならない。戦力の不保持という不合理な規定は憲法から削除すべきである。沖縄から改憲の気運を高める意義は大きい。

改憲の論点はもちろん戦力の不保持だけではない。国会では大規模災害に備えた緊急事態条項についての審議が行われている。

人権に対する考え方は80年前に比べいっそう深化しており、人権規定をさらに充実させることも重要な課題だ。報道の自由やプライバシー権は憲法上で明記されてもいいし、特に豊かな自然を観光資源とする沖縄では、環境権の論議も進めるべきではないか。