きょう慰霊の日 20万人悼む 知事、就任後初の平和宣言へ

 沖縄は23日、太平洋戦争末期の沖縄戦で組織的な戦いが終わったとされる「慰霊の日」を迎えた。74年前に最後の激戦地となった糸満市摩文仁(まぶに)の平和祈念公園では、県主催の沖縄戦全戦没者追悼式が開かれ、地上戦で犠牲となった20万人以上に遺族らが鎮魂の祈りをささげ、恒久平和を誓う。就任後初めて式典に臨む玉城デニー知事が、平和宣言で米軍普天間飛行場の辺野古移設反対に言及するかが焦点になる。

 平和祈念公園にある国籍や軍民を問わず戦没者の氏名を刻む石碑「平和の礎(いしじ)」には今年42人が追加刻銘され、計24万1566人となった。22日には前夜祭が開かれた。
 23日の「沖縄全戦没者追悼式」は同公園で午前11時50分から開かれ、安倍晋三首相、宮腰光寛沖縄担当相、河野洋平外相、根本匠厚生労働相、大島理森衆院議長らが出席する。
 歴代知事は平和宣言で不戦の誓いとともに、米軍基地の負担軽減を求めてきたが、翁長雄志前知事は辺野古移設反対の明言に踏み込んだ。最後となった昨年の平和宣言では「辺野古に新基地を造らせないという私の決意は県民とともにある」と強調した。
 玉城知事は5月31日の定例記者会見で、自身の平和宣言について「過重な基地負担を踏まえ、文言の内容を調整中だ」と述べるにとどめていた。
 米軍は1945年3月以降、沖縄本島や周辺諸島に上陸。住民を巻き込んだ激しい戦いで、県民の4人に1人が犠牲になった。同年6月23日、旧日本軍の司令官が自決し、組織的戦闘が終結。県はこの日を条例で「慰霊の日」として定め、休日としている。
 軍の指示で住民がマラリア有病地帯へ強制疎開させられ、住民約3600人が犠牲になった八重山では、石垣市が八重山戦争マラリア犠牲者追悼式を午後3時からバンナ公園の慰霊碑前で開催する。

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