金波銀波 【金波銀波】「匹夫(ひっぷ)の勇」―。 「匹夫(ひっぷ)の勇」―。一人の相手にいきり立ってけんかを仕掛けるような人間を、中国の古典「孟子」がこう表現している。自分一人のプライドのためではなく、万民の幸福のために立ち向かう勇気が真の勇気だという◆韓国が日本に対し、いきり立っている。慰安婦問題、徴用工問題、レーダー照射問題と、けんかの種は枚挙にいとまがない。一方で最大の脅威だったはずの北朝鮮には一転して友好ムードを醸成し、国防白書の最新版… 2019/02/01
金波銀波 【金波銀波】沖縄の5市はなぜ県民投票を拒んでいるのか… 「沖縄の5市はなぜ県民投票を拒んでいるのか。本土にいると分からないので教えてほしい」。一般の人から本紙に問い合わせの電話があった。あなたの新聞なら教えてくれるのではないか、と話す◆県民投票を拒否する理由は一つではない。普天間飛行場の危険除去と辺野古埋め立てを切り離した異様な設問、県議会での条例の強行採決、条例制定過程に瑕疵(かし)がある疑いなど、枚挙にいとまがない◆だが報道されるのは「安倍政権と… 2019/01/24
金波銀波 【金波銀波】「辺野古米軍基地建設のための埋め立て」の… 「辺野古米軍基地建設のための埋め立て」の賛否を問う県民投票への不参加を表明した5市について、立憲民主党の枝野幸男代表が「拒否した首長や、議会で反対した議員に損害賠償請求できるのではないか。権利を不合理に奪われている県民は、首長らに訴訟を起こしたらいい」と述べた。政治家として問題解決に汗をかくべき立場でありながら、口先だけでいたずらに住民を煽るような発言であり、到底容認し難い◆5市の背後に政府・自… 2019/01/20
金波銀波 【金波銀波】「辺野古米軍基地建設のための埋め立ての賛否を問う県民投票」は… 「辺野古米軍基地建設のための埋め立ての賛否を問う県民投票」は、5市で実施されない可能性が濃厚だ。だがよく言われる「市民の投票権を奪うな」という批判は、問題の本質を見誤っている◆「県民投票を実施してほしい」という民間団体が集めた署名の民意と「県民投票を実施しない」という5市議会の議決という民意が、真正面からぶつかり合った。どちらか一方だけが真の民意というわけではない◆かたや住民が直接決めるという「… 2019/01/16
金波銀波 【金波銀波】日本の政治風土は… 日本の政治風土は強力なリーダーを嫌うと言われることがある。安倍晋三首相がいい例かも知れない。首相に就任して数年も経てば「長期政権」と批判され、指導力を発揮して政策を推し進めれば「一強」と罵倒される。他国から見れば奇妙な光景ではないか◆民主主義の手本とされる米国の大統領は、クリントン氏、ブッシュ氏、オバマ氏と、近年はほとんど2期8年在任している。日本の戦後最長は7年8ヵ月の佐藤栄作政権だが、米国か… 2019/01/06
金波銀波 【金波銀波】「遠交近攻」。… 「遠交近攻」。近隣の国を攻めて遠い国と親しくする、という古い中国の言葉がある。世界中で隣国同士の関係は、えてして良くない。しかし、日本ほど「ご近所さん」に恵まれない国も珍しいのではないか◆石垣市の尖閣諸島周辺海域を荒らし回る中国、日本人を拉致し、ミサイルで威嚇する北朝鮮、北方領土を占拠するロシア。さらに近年は、少なくとも建前上は「友好国」であったはずの韓国まで慰安婦問題、徴用工問題、軍艦のレーダ… 2018/12/30
金波銀波 【金波銀波】辺野古県民投票、有名無実化も 「辺野古米軍基地建設のための埋め立て」の賛否を問う県民投票に反発する動きが拡大している。宜野湾市の松川正則市長は25日、市議会が二度にわたって予算案を否決したことを挙げ、県民投票を実施しない考えを表明。県内で最初に県民投票に反対する意見書を議決した石垣市議会も、予算案を否決した。中山義隆市長は今後の対応を慎重に検討する考えを示しているが、県民投票を実施する可能性は低いと見られる。県民投票を拒否す… 2018/12/26
金波銀波 【金波銀波】河野太郎外相が… 河野太郎外相が、日ロ平和条約締結交渉に関する記者の質問に対し「次の質問どうぞ」と繰り返し無視したことが波紋を広げている。外相は15日、自身のホームページで「おわびして改める」と陳謝した◆最近の若い政治家はメディアの活用がうまく、河野氏のケースは腑に落ちない。むしろメディアを個人的なパフォーマンスや、アリバイづくりに活用する政治家が増え、社内から「取材する必要などないのでは」という声が出ることも少… 2018/12/16
金波銀波 【金波銀波】米軍普天間飛行場の… 米軍普天間飛行場の辺野古移設を問う県民投票をめぐり、宜野湾市議会の与党会派が12月定例会で反対意見書を提案する予定だ。石垣市議会も既に反対意見書を可決した◆こうした動きに対し「住民の投票権を奪い、民主主義を侵害している」「住民訴訟の対象になる」などというバッシングも激しい。だが安全保障や外交問題は、選挙で選ばれた政府が決める仕組みになっているのだから、自治体や議会が今回の県民投票を拒否することは… 2018/12/04
金波銀波 【金波銀波】日産自動車トップの… 日産自動車トップのカルロス・ゴーン容疑者が金融商品取引法違反の容疑で逮捕され、世界に衝撃を与えた。改めて国民を驚かせたのは、ゴーン容疑者が2011年から5年間で、同社から約100億円の高額報酬を受け取っていたことだ◆日本では経営者の高額報酬が賛否両論を呼ぶが、経営者の決断が数千億円の利益を稼ぎ出すのであれば、それだけの報酬に値すると言える。あまりに高額過ぎ、庶民感覚からはすんなり容認できないのも… 2018/11/21
金波銀波 【金波銀波】字が小さ過ぎて読めない。 字が小さ過ぎて読めない。拡大鏡のCMではない。つい1年前までは何の苦もなくできていたのに、今や書類を前に悪戦苦闘する日々◆老眼の進行だけでなく、物忘れもひどくなってきたような気がする。つい最近やったばかりのことが思い出せない。この年齢になると、そろそろ学生時代の友人の訃報を聞くことがあるが、何と名前と顔が一致しない。申し訳ないと思いつつ、心の中で手を合わせる◆気持ちは10代の後半から変わっていな… 2018/11/18
金波銀波 【金波銀波】愛知県小牧市の小牧山城跡で… 愛知県小牧市の小牧山城跡で、山頂の主郭(本丸)近くに織田信長の屋敷とみられる建物跡が見つかった。小牧山城は尾張を統一したばかりの信長が拠点とした城で、発掘調査を行った市教育委員会は「信長が駆け出しの時から〝頂上志向〟だったことがうかがわれる」と話している◆「天下布武」をスローガンに乱世を切り拓き、近代日本の扉を開いた信長は、歴史上の人物の中でも最も人気が高い一人◆だが、豊臣秀吉や徳川家康と比べ、… 2018/11/16
金波銀波 【金波銀波】米中間選挙から一夜明けた… 米中間選挙から一夜明けたトランプ大統領の記者会見が話題になっている。批判的な質問を執拗に続けたテレビ局CNNの記者に対し「私に国を任せてほしい。君にはCNNを任せる。うまくやれば視聴率がもっと上がるぞ」と反論したのだ◆この記者は「反トランプ」でかねてから知られる存在。トランプ氏があえて指名していることから、メディアとの対決姿勢をアピールする大統領のパフォーマンスという説もある◆報道が生む言葉のイ… 2018/11/10
金波銀波 【金波銀波】サウジアラビアの記者… サウジアラビアの記者ジャマル・カショギ氏が同国当局者に殺害されたと見られる事件は凄惨だ。記者は拷問を受けた上、切断された遺体は酸で溶かされたとの報道もある。独裁国家がジャーナリストに向ける憎悪を改めて浮き彫りにした◆民主主義と健全なジャーナリズムは切り離せない。世界のジャーナリストは死の危険を冒して独裁国家と戦う。中国や北朝鮮のような国では、そもそもジャーナリストが存在し得ない◆私たちがふだん、… 2018/11/06
金波銀波 【金波銀波】「結論ありきで中身がない」… 「結論ありきで中身がない」「公平性や中立性を欠く」「国民の理解を得られない」―。米軍普天間飛行場の辺野古移設で、国交相が撤回の効力を一時停止したことを受け、30日、記者団に怒りをぶつけた玉城デニー知事◆翁長雄志前知事の失敗から何も学んでいないのか、と残念な気持ちになる。国を「敵」に見立てて痛罵すれば基地反対派は喜ぶが、冷めた目で見る本土の人たちとの距離感は、ますます広がる。国も県も「普天間の危険… 2018/10/31
金波銀波 【金波銀波】那覇市長選には八重山住民の… 那覇市長選には八重山住民の関心も高い。石垣市出身の翁長政俊氏が立候補しているからだが、4年前に自民党が擁立した与世田兼稔氏も石垣市出身で、奇しくも二代続けて八重山関係者が城間幹子氏と対決。離島出身の那覇市長は誕生するのか◆選挙イヤーの今年は、米軍普天間飛行場の辺野古移設をめぐる保守中道勢力と革新リベラル勢力の対立を軸に、沖縄の命運を決する重要な戦いが各地で繰り広げられた。革新リベラル勢力は保守の… 2018/10/20
金波銀波 【金波銀波】玉城デニー知事と… 玉城デニー知事と安倍晋三首相の初顔合わせで、辺野古移設をめぐる双方の主張は平行線をたどった。ただ会談後、記者団に囲まれた玉城知事からは一方的な政府批判は聞かれず、冷静な言葉遣いに努力しているようだ◆翁長雄志前知事は記者に対し、辺野古移設を推進する政府を罵倒するのが常だった。第三者の面前で非難の応酬をするようでは「対話」は成立しない。紳士的な言動が大前提だ。翁長氏と異なる「玉城カラー」は、こういう… 2018/10/14
金波銀波 【金波銀波】9日に那覇市で開かれた… 9日に那覇市で開かれた翁長雄志前知事の県民葬で、菅義偉官房長官が安倍晋三首相の弔辞を代読したが、会場の数人から「うそつき」「帰れ」と罵声が浴びせられた。葬儀の厳粛さを乱す行為で、県民として恥ずべき光景だ◆県主催の全戦没者追悼式でも出席した首相にやじが飛ぶことが恒例になってしまっており、毎年心が滅入ってしまう。たまたま東京でニュースを聞いたが、県民葬の罵声の件は東京でも深刻に受け止められており「沖… 2018/10/12
金波銀波 【金波銀波】モノにあふれた生活を、ふと… モノにあふれた生活を、ふと見直すことがある。相次ぐ台風の接近。貨物船の入港が滞り、八重山の島々の一部店舗では、食品などの商品棚が空っぽになった。ほしい商品はいつ届くのか。募る苛立ちの中で、私たちの「豊かな生活」が、実は島外からの物資輸送に支えられていたことに気づく。それは離島県である沖縄、さらには島国である日本の縮図でもある◆中国が一方的に支配を進める南シナ海の問題も、日本にとって他人事ではない… 2018/10/07
金波銀波 【金波銀波】玉城デニー氏の風は… 玉城デニー氏の風は、沖縄の「保守地盤」とされる石垣市でも吹いた。佐喜真淳氏の得票がトップになることは織り込み済みだったが、玉城氏が633票差に肉薄したのだ。佐喜真氏の八重山選対幹部も「予想外だ」と驚く◆石垣市と同じく、保守が強いとされる宮古島市では佐喜真氏が2353票差をつけ「順当勝ち」だったから、余計に石垣市での「番狂わせ」が目立つ◆知事選と同時の県議補選と比較すると、佐喜真氏の得票は、自民党… 2018/10/04