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下地氏辞退 自民県連に反発も 玉城陣営は「令和の琉球処分」

2026/08/29 05:00

下地氏と自民党本部が結んだ政策協定の「合意書」(下地氏のユーチューブチャンネルより)

9月13日投開票の沖縄県知事選で「第3極」を掲げた元衆院議員の下地幹郎氏が自民党本部と政策協定を結び、立候補を辞退したことが波紋を呼んでいる。保守系の「一本化」は新人、古謝玄太氏(42)にとって有利な材料になると見られるが、自民党本部と下地氏の交渉は県連の頭越しで進んだため、県連の一部に反発の声も。現職、玉城デニー氏(66)の陣営は、政権与党による露骨な選挙介入と喧伝しており「令和の琉球処分のようなことを許していいわけがない」(高良沙哉参院議員)と批判をヒートアップさせる。

▽涙流し謝罪

「何を言っていいのか分からんですよね。どんな厳しい選挙でも皆さんと一緒に戦った。自分で降りるのは想像もできないことだった」

27日、支持者を前に立候補辞退を説明した下地氏は、涙を流しながら謝罪した。

下地氏によると23日、旧知の仲である自民党の鈴木宗男参院議員から「このまま突っ込んで、どうしようもない状況になるのはたまらない」「ここは政策を取れ」と、自民党本部との政策協定、立候補辞退を強く勧められた。

下地氏は「政策を実行するなら候補者(古謝氏)ではなく、政権与党と合意しないと前に進まない」と鈴木氏の説得を受諾した。

24日に上京し、自民党の鈴木俊一幹事長、西村康稔選対委員長と面会。「子どもの貧困対策予算300億円」「5年以内の鉄軌道着工」「沖縄サミット誘致」「普天間飛行場の返還期日明確化」―の5項目の政策協定にサインした。

▽抗議

自民県連の西銘恒三郎会長(衆院議員)は27日、報道陣の取材に対し、事前に西村氏、鈴木氏から下地氏との交渉に関する情報は得ていたと明らかにし「県連としては下地氏と接触も交渉もしない」と強調した。

下地氏は自公政権下で自民県連、公明党と激しく対立してきた経緯がある。沖縄1区で下地氏と戦ってきた国場幸之助衆院議員は、政策協定を受けて党本部に抗議した。

公明県本部は古謝氏を推薦したが、自民党本部と下地氏の接近を受け、政権離脱で開いた自民との距離がさらに広がると懸念する声がある。

下地氏は支持者に古謝氏を支援するよう求めており、下地氏に近い地方議員には、知事選で支援対象を古謝氏に乗り換える動きが出てきた。ただ自民県連や公明の「下地アレルギー」は強く、下地氏が直接、古謝陣営に入る可能性は薄そうだ。

産経新聞によると鈴木氏は、下地氏の立候補辞退について「引く辛さは経験した者でないと分からない。下地の男気だ」と評価。知事選を重視する高市早苗首相の意向が一本化協議に反映されたとの見方を示した。県連から下地氏との接触を控えるよう求められた事実はないとした。

▽「県民対自民党」

玉城陣営は自民党本部主導による下地氏の立候補辞退に衝撃を受けている。

選対の山内末子事務局長(県議)は27日「(子の貧困対策の)300億円の予算をちらつかせて県民を愚弄している。『県民対自民党政府』の戦いだ」と述べ「県民党」を改めて宣言。

高良参院議員は「知事選はヤマト自民党の介入によって、より争点が明らかになった。ウチナーンチュのアイデンティティを懸けた戦いだ」と強調し、自民党本部の「選挙介入」が知事選の新たな争点になるとの見方を示した。