【視点】「最長」視野の政権と沖縄

 安倍晋三首相は6日、第1次内閣からの通算在職日数が2720日となり、初代首相を務めた伊藤博文と並んで歴代3位となった。このまま行けば8月には戦後最長の佐藤栄作、11月19日には戦前を通じて最長の桂太郎と並び、憲政史上最長の政権が視野に入る。抜群の安定感を誇る政権に対し、沖縄の最近の県政は2代にわたり、泥沼のような闘争を繰り広げてきた。本来なら長期安定政権の今こそ、基地負担軽減と振興を最大限に前進させるチャンスであるはずだ。沖縄の姿勢が問われている。
 沖縄では辺野古移設に対する反発を背景に野党の勢力が強く、安倍政権の人気は低迷気味だ。
 しかし安倍政権は2016年、米軍北部訓練場の過半となる約4千㌶の返還を実現した。県内の米軍施設・区域の約2割を占め、本土復帰後最大の返還となる。普天間飛行場の空中給油機部隊の岩国基地移転も安倍政権の実績だ。
 この間、翁長雄志前知事は「基地の県内移設は負担軽減にならない」という論理から、米軍普天間飛行場の辺野古移設を巡って安倍政権と厳しく対峙し、北部飛行場返還のためのヘリパッド移設にも不快感を示し続けた。北部訓練場の返還式には、顔すら出さなかった。
 しかし翁長前知事や基地反対派の反対運動によって、米軍基地が1㍉たりとも動いたためしはない。「県内移設は負担軽減にならない」という翁長前知事、そして玉城デニー知事の論理は、逆に県民の基地負担軽減を阻んでいるのが現実だ。
 メディアや基地反対派が流布する「基地建設を強行する安倍政権に対し、翁長前知事や玉城知事が県民のために果敢に立ち向かっている」というイメージは、虚構でしかあるまい。
 普天間飛行場も、辺野古に移設するという安倍政権の決断によってしか動かないだろう。1996年の普天間返還合意以降、日米でいくたびも政権交代があったが、辺野古以外の案が現実性を持って浮上したことはない。
 辺野古中止を掲げる野党が今後、政権を獲得しても、結局は現状維持が続くか、代替案の取りまとめまで、果てしなく時間を浪費する可能性が高い。一刻も早く事態の打開に着手するという意味では、辺野古移設を急ぐ安倍政権の判断は妥当だ。
 嘉手納以南の米軍基地を返還する日米合意は、単なる合意のままでは空証文であり、政府の強い意思がなければ前には進まない。安倍政権は、現時点で可能な基地負担軽減の実現に、歴代政権の中でも真正面から取り組んでいると評価できる。
 安倍政権の沖縄振興策を見ると、仲井真弘多元知事との約束通り、振興予算の3千億円台は2021年度まで続く見通しだが、一括交付金は減少傾向にある。政府と県政の対立が暗い影を落としていると見るべきだろう。
 それでも政府は、沖縄振興を国家戦略として進める方針を掲げており、那覇空港第二滑走路をはじめ、宮古、八重山での港湾整備などの観光インフラ整備も着々と進んでいる。安倍政権のもと、沖縄振興が加速しているのが現実だ。
 一方、今年度の沖縄振興予算から、政府が県の頭越しに市町村を支援する「沖縄振興特定事業推進費」が創設された。
 県政と政府がぎくしゃくしているため、政府との連携がスムーズに進まないという自治体の不満が背景にある。沖縄振興特別措置法も21年度には期限切れとなる。この大事な時期に、県政自身が沖縄振興のブレーキ役になることがあってはならない。

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