【視点】蔡氏再選 交流強化の機会に

 蔡氏は選挙後「台湾の人々が民主主義を重んじていることを証明した」と語った。選挙戦が「民主主義対独裁主義」の対立という図式に変化したことが蔡氏の再選を決定づけた。
 ただ中国メディアは「蔡政権が香港の問題などを利用して世論を操作した」と主張。選挙に「外部勢力」が介入した可能性にも言及した。中国政府の報道官も「台湾の問題は中国の内政問題であり、台湾が中国の一部である事実は変わらない」と述べ、台湾独立を牽制した。台湾の選挙結果に全く向き合おうとしない中国の傲慢な姿勢が鮮明になっている。今後、台湾への締め付けをいっそう強化する懸念がある。
 ただ選挙報道を通じ、中国の国民は、台湾で自由選挙が実施されている事実を痛感しているに違いない。台湾や香港情勢が、中国本土の民主化に向けた呼び水となることが最も理想的な展開だ。
 中国が「超大国」への道をひた走る中、台湾が感じる圧迫感には想像を絶するものがあるだろう。日米が台湾を支持するのは当然だが、沖縄も何らかの形で台湾を支える姿勢を示したい。
 八重山と台湾の交流の歴史は長く、八重山には台湾にルーツを持つ人たちが大勢住んでいる。八重山を訪れる外国人観光客の4割を台湾客が占めており、経済的なつながりも強まる一方だ。
 今後は新石垣空港を活用した農水産物の輸出や、相互の往来活発化などで交流のレベルをさらに上げ、アジアの玄関口として、八重山の地理的優位性を確固たるものにしたい。親日的な蔡政権の継続は、八重山にとっても新たなチャンスになるだろう。

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