困難乗り越え出荷にめど 順調に成長するクルマエビ 竹富島

広大なクルマエビの養殖池でイカダに乗って餌をまく従業員=15日、ユーグレナ竹富エビ養殖

 新型コロナ感染拡大を受けて出荷が大幅に滞るなど影響を受けていた竹富島特産品のクルマエビだが、需要が高まる冬の出荷に向けての準備が進んでいる。ユーグレナ竹富エビ養殖株式会社(新田長男代表取締役)では、稚エビが順調に成長するなど今後の出荷にめどがたち、関係者らを安堵させている。

 同社では5月末から8月にかけて順次、5つある養殖池を天日干しにする「池干し」をおこなってきた。最初に池干しした「5号池」では7月に海水を注入、稚エビを養殖池に投入した。「最初はボウフラくらいの稚エビが、2カ月で体重7グラムまで成長した。10月後半くらいには初出荷できるのではないか」と話し、「幸いクルマエビを扱う高級料理店が開店しはじめている」と期待した。
 同社では出荷量がピークの4~5月に県外向けがほぼストップ、取引値も暴落するなど苦境に陥っていたが、ドライブスルー方式で地元還元セールをしたり、急速冷凍品をネット販売するなど知恵を絞った。島民や全国の竹富島ファンの間でも「食べて応援しよう」とSNSなどで後押しした。
 場長の笠井誠人氏は「苦しい時に地元の方に助けていただいて、涙がでるほどうれしい。被害も想定より少なく、これからも地元需要があれば出していきたい。今後の課題は人手不足だ」と話した。餌まき作業をしていた従業員の赤羽根春奈さんは「冷凍エビはまだ在庫があり、ネット通販『ポケットマルシェ』では特別価格です。甘みの強い竹富のエビをぜひ味わってください」と笑顔を見せた。 (隅田賢通信員)

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