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首相に「汚い首斬ってやる」 台湾有事巡り中国総領事

2025/11/11

台湾有事が集団的自衛権の行使対象となる「存立危機事態になり得る」との高市早苗首相の国会答弁を巡り、中国の薛剣(せつけん)駐大阪総領事が8日、X(旧ツイッター)「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない。覚悟ができているのか」と書き込んだ。日本政府は9日に抗議し、該当する投稿は削除された。

薛剣氏の投稿は、高市首相の答弁を報じた朝日新聞の記事を引用する形で行われた。

木原稔官房長官は10日の記者会見で投稿について「極めて不適切と言わざるを得ない。外務省、在中国大使館から抗議し、関連投稿の速やかな削除を求めた」と述べた。
薛剣氏は中国の「戦狼(せんろう)外交」を体現するような攻撃的な投稿で知られる。

9日にも「『台湾有事は日本有事』は日本の一部の頭の悪い政治屋が選ぼうとする死の道だ」「くれぐれも最低限の理性と遵法精神を取り戻して理性的に台湾問題を考え、敗戦のような民族的壊滅を喰らうことが二度とないようにしてほしい」などと投稿した。

木原氏は記者会見で、薛剣氏を「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましくない人物)」として国外退去を求める考えはあるか問われ「複数の不適切な発言は認識している。中国側にも累次に渡り申し入れを行い、適切な対応を強く求めている」と述べるにとどめた。 台湾有事が存立危機事態になり得るとする首相答弁については「実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して政府が総合的に判断する。首相の発言は従来の政府の立場を変えるものではない」と説明した。

首相答弁を巡っては、江浩駐日中国大使も10日、Xに「台湾は中国の不可分の一部である。台湾問題を如何(いか)に解決するかは中国人自身の課題。『台湾有事は日本有事』を煽り、日本を中国分断の戦車に縛り付けるのであれば、最終的には引き返せない誤った道を歩むだけだ」と投稿し、日本側を牽制した。