Close
  1. 八重山日報
  2. 政治・経済
  3. 玉城知事、核ミサイル跡地視察 「恐ろしさ実感」戦争遺跡活用

玉城知事、核ミサイル跡地視察 「恐ろしさ実感」戦争遺跡活用

2025/12/19

核ミサイルメースB基地跡地を視察した玉城知事(左)=18日午後、恩納村

玉城デニー知事は18日、恩納村に残る旧米軍の核ミサイル「メースB」基地跡地を視察した。玉城氏が知事就任後、同施設を訪れるのは初めて。戦後80年の平和宣言で掲げた「核軍縮・核兵器廃絶」と「沖縄の戦争遺跡群の保存・活用」の取り組みを具体化する一環。

創価学会沖縄事務局の桑江功局長が施設を案内し、基地の構造や核兵器配備の実態について説明した。ふだんは立ち入りが制限されている地下部分も含め、施設内を見て回った。

桑江局長は「県内の他の基地は取り壊されたが、私たちが残そうと決断したことで現存している」と経緯を語った。冷戦期のキューバ危機では、同施設から核ミサイルが発射される寸前の緊迫した状態だったとされる。

視察後、玉城知事は「実際に核弾頭の写真などを見ることで、核の恐ろしさを改めて実感した。核はもちろん、戦争は決してあってはならず、使わせてはいけない」と語った。
その上で「高校生や大学生など、未来を担う若い世代にぜひ見てほしい。戦争の愚かさを考え、二度と過ちを繰り返さない行動につなげてほしい」と強調。核兵器廃絶については「唯一の戦争被爆国として、日本がリーダーシップを取り、政府は核兵器禁止条約に署名し、世界に訴えるべきだ」と述べた。

玉城知事は読谷村のチビチリガマや座喜味の掩体壕跡を視察し、石嶺傳實読谷村長と面談した。