Close
  1. 沖縄八重山日報
  2. 社会
  3. 一般
  4. 監視・啓発強化が課題 捨て猫対策協議会

監視・啓発強化が課題 捨て猫対策協議会

2026/01/29

捨て猫対策の現状と課題を協議する関係団体=26日午後、市役所1階コミュニティルーム

石垣市内で後を絶たない捨て猫問題について、関係機関が現状と今後の対策を共有する「捨て猫対策協議会」が26日、市役所で開かれた。市環境課、港湾課、八重山警察署、八重山保健所、獣医師、動物保護団体などが参加し、これまでの取り組みの進捗と、遺棄がなくならない状況の課題が浮き彫りとなった。

たまよせ動物病院の土城勝彦獣医師が「猫の性質に基づいた適正飼育について」と題し提言。猫は本来単独で生きる動物で、過密状態は感染症拡大の要因になると指摘した。マダニが媒介する感染症の懸念もあり、「ここ10年、野良猫を診察しない方針に転じた動物病院も増えている」と現場の変化を説明。石垣島では捨て猫が繰り返されることで個体数が減らず、「繁殖力が高く、1匹取り逃すだけで、1年で十数匹に増える」と警鐘を鳴らした。

また、動物愛護法の改正により遺棄や虐待が重い犯罪となっている点を踏まえ、「遺棄が犯罪であるという認識の徹底と、監視・摘発事例を積み重ねることが、抑止につながる可能性がある」と述べ、適正飼育指導の重要性を強調した。

協議会では、事前アンケートを基に各機関の取り組みを報告。港湾課は南ぬ浜町緑地公園周辺に簡易型監視カメラを設置したほか、注意喚起看板の設置や防災行政無線による呼び掛け、職員巡回を行い、今後も照明や監視カメラの設置を強化していくとした。警察署は、署内への啓発ポスター掲示や重点地区での巡回を継続している。

一方、警察側からは、遺棄の事案は「飼い主との関連を示す証拠が不可欠で、現状では捜査のハードルが高い」との説明があり、遺棄を困難にする環境づくりと啓発の重要性が指摘された。

動物保護団体で構成する「島猫TNR協議会」(早川始代表)は、市の事業を活用し、飼い主のいない猫221頭の避妊去勢手術と感染症検査を実施したと報告した。

また、子猫40頭を県外団体と連携して全頭譲渡した実績も示された。しかし、「手術を進めても、遺棄されるスピードが上回っている」とし、「まず飼い猫への不妊去勢手術を徹底させなければ、捨て猫は減らない」と強く訴えた。

啓発については「曖昧な表現では伝わらない。手術の必要性をもっと露骨に訴えるべき」との意見が相次ぎ、飼い方マニュアル作成や、罰則を含めた対策を求める声も上がった。

今後は、重点地域での対策継続に加え、譲渡会や講演会を通じた市民啓発、ボランティアの拡充、関係機関の連携ルールづくりを進める方針。協議会では「不幸な命を増やさないためには、遺棄を出発点で遮断することが不可欠」との認識で一致した。