地元の五穀文化を発信 全国大会へ向けた新作舞踊も披露 八重農・八商工郷芸部
八重農・八商工の郷土芸能部が新作「世ば稔れ(ユバナウレ)」を披露した=11日、健康福祉センター
八重山農林、八重山商工両高校の郷土芸能部は11日、「沖縄の五穀文化を次世代につなぐ継承プロジェクト」の成果発表会を健康福祉センターで開催した。八重山芸能の原点である五穀(アワ、キビ、麦、クバ、豆)を学び、その魅力と重要性を発信する目的で実施。昨夏に竹富島で行った学習の成果を発表後、両校合同で出場し県大会で優秀賞を獲得した新作演舞「世ば稔れ(ユバナウレ)」を披露した。両部は今夏の全国大会に県代表として出場する。
プロジェクトは、五穀料理の研究家・中曽根直子氏(沖縄雑穀生産者組合長)と、両校の郷土芸能部で指導経験がある張本直子氏を中心に今年度から始まった。
中曽根氏は2年前に祭祀で使う作物を復興する国の事業で竹富島を訪れ、五穀の普及啓発を実施した経験がある。
郷土芸能部の生徒は、五穀に関連する舞踊を演目で披露するが、実物を深く学んだ経験がなかったため、張本氏が中曽根氏と協議し、今回のプロジェクトが始まった。
日頃披露している郷土芸能の中には、竹富島に関連した演目もあるため、夏休みに同島でフィールドワークを実施。島内の古老・前本隆一氏へのインタビューや、十五夜の伝統食「フカンギ」などの作り方を学んだ。島内の老人グループからは、部員たちも踊る農作業を模した舞踊「まみどーま」について、その歴史や演舞時の心構えなどを学んだ。
今月2日には、全国大会で使用する五穀を育てるため、八重農の校内で種まきも行った。
11日の発表会には、約20人の生徒が参加。複数のグループに分かれ、フィールドワークの様子やSNSを活用して得た成果、伝統食の作り方などを発表した。実際に来場者には試食用に「フカンギ」が配布された。
続いて両校の部員が共に「世ば稔れ」を披露し来場者の拍手に包まれた。
商工の比嘉愛音部長は開会のあいさつで「プロジェクトは昨年6月から始まった。五穀は祭祀儀礼や郷土芸能、食文化など、八重山文化の根幹で重要作物」と紹介。
農林の西波照間凛部長は演舞前にマイクを握り「私たち3年生は3月で卒業する。このメンバーで踊れるのは最後だ」と紹介。演舞後、「今回学んだ成果を今後に生かしたい」と力を込め、全国大会に出場する下級生の活躍を期待した。