「隠れ腎臓病」に警鐘 やいまじんプロジェクト展開 八重山病院
やいまじんプロジェクトをアピールする和気医師(中央)ら関係者=12日夕、県立八重山病院
3月第2木曜日の「世界腎臓デー」に合わせ、県立八重山病院は12日、八重山の透析患者を減らす取り組み「やいまじんプロジェクト」をアピールした。発起人で同病院内科の和気亨医師は、健診受診率が年々低くなっているとして「隠れCKD(慢性腎臓病)が増えている」と指摘。住民に積極的な受診を呼び掛けた。
同病院によると、人口10万人当たりの慢性透析患者数は2023年末で八重山が345・3人となり、沖縄県の324・5人、全国の276・2人を超えた。「全国では5人に1人と言われるCKDが、八重山ではなんと3人に1人かも知れない」(和気医師)と懸念を強めている。
やいまじんプロジェクトは国のCKD重症化予防のための診療体制構築及び多職種連携モデル事業の採択を受け、2025年4月にスタート。同年9月、八重山を表す「やいま」に腎臓の「じん」を掛け合わせた現在の名称となった。
離島の腎臓病対策のモデルとなることを目指しており、現在、180人いる透析患者を10年後に150人に減らし、人口比で全国並みとすることを目標に掲げた。
20クリニックに依頼してCKD協力医として16人を委嘱し、CKDの恐れがある患者を八重山病院に紹介してもらうなどの取り組みを進めている。今年度、院外から紹介を受けた患者は140人となり、前年度から倍増した。
患者によっては、かかりつけ医と八重山病院医師の「主治医2人制」を採用するなど、治療体制の強化を図っている。
行政に対しては検診受診率の向上に向けた施策を促している。
12日には和気医師らが八重山病院で記者会見し「やいまじんプロジェクト」の進ちょく状況などを説明。
協力医の1人でもある与那覇医院の与那覇朝樹院長は「透析に当たる医療スタッフが減っており、ベッドには空きがあるが受け入れられる人数が少ない。何とかギリギリで回している状況だが、今後も医療スタッフが減るのは明らかで、将来の患者を減らすしか方法がない」と現状を訴えた。