抗議船の漁港使用「不許可を」 名護漁協が市に要請 「届け出」有無、市は明言せず 辺野古
抗議船が出港した辺野古漁港。奥に辺野古移設工事現場が見える=2日午後(名護市)
名護市辺野古沖を高校生の平和学習のため航行していた米軍基地移設の抗議船2隻が転覆し、2人が死亡した事故で、名護漁協(安里政利組合長)が渡具知武豊市長に対し、今後は漁港関係者以外の漁港使用を「不許可」とするよう要請していたことが2日までに分かった。事実上、抗議船の漁港使用を認めないよう求める内容。「安全性に重大な疑義が生じている団体や船舶による利用を漫然と認め続けることは、漁港管理上も極めて問題が大きい」と指摘している。
抗議船「平和丸」「不屈」は米軍普天間飛行場の辺野古移設に向けた埋め立て作業阻止を掲げ、名護市が管理する辺野古漁港を拠点に出港していた。
要請書は事故から10日後の3月26日付。海上抗議活動に絡む事故が過去にも繰り返されており「漁港施設を利用した同種の活動が継続されることは、市民および利用者の生命・身体の安全に重大な危険を及ぼすおそれがある」と懸念した。
その上で「今後、漁港関係者以外の漁港の使用許可を行わないこと」を要請し「二度と同様の事故を発生させないためにも、漁港管理者としての責任ある対応を強く求める」としている。
安里組合長は沖縄八重山日報の取材に対し「若い命が失われる大事故が起きた。抗議には関知しないが、海上での抗議活動は危険なので、本当にやめてほしい。漁業者も迷惑している」と話した。
漁協が漁港関係者以外の漁港使用を認めないよう求める要請書を市に提出するのは初めて。
転覆事故が起きた海域について安里組合長は「地元の漁業者は普通、ああいう波の立つところには近づかない。(死亡した船長は)ベテランだというが、免許を持っているだけでプロとは呼べない」と指摘した。
名護市は辺野古漁港など市内5カ所の漁港を管理している。抗議船が出港した辺野古漁港で船舶の上げ下ろしを行うには、市漁港管理条例に基づき、市に届け出を行う必要がある。
抗議船が届け出を行って出港していたかについて市農林水産課は「個人情報なので答えられない」と明言を避けた。
仮に無届けで漁港を使用していた場合、条例違反となる可能性がある。条例では5万円以下の過料の罰則が規定されている。
同課は漁協の要請について「漁港施設は漁業者が利用するために整備され、漁業者以外でも漁業者に支障が出ない範囲で利用できる。個別的な案件についてはそのつど確認した上で、条例に基づいて判断する」と回答した。