沖縄振興巡り県と市町村で議論 高齢者支援と給食無償化が焦点
意見を述べる県市町村会会長の中山義隆石垣市長=28日午後、沖縄県市町村自治会館2階ホール
2026年度の沖縄振興拡大会議(主催・県など)が28日、那覇市の県市町村自治会館で開かれ、県と市町村の首長・議会議長らが行政課題について意見を交わした。高齢化対策と学校給食無償化を巡り、県の方針に対し現場から人材不足や財政負担を指摘する声が相次いだ。
冒頭、玉城デニー知事は、今後急速に進む高齢化を踏まえ「住み慣れた地域で暮らし続けられる地域共生社会の実現に向け、県と市町村、関係団体が一体となって取り組む必要がある」と述べた。
県提案の議題では、高齢者支援を巡り、今年度創設した「地域連携高齢者支援基金」を活用し、民間事業者の参入促進や生活支援サービスの創出を図る方針を説明。県はプラットフォームを通じた官民連携を進め、試行事業を各地で展開する考えを示した。
一方、市町村側からは現場の厳しさを訴える声が相次いだ。伊良皆光夫多良間村長は「小規模離島では人材や事業者の確保が難しい」と指摘し、住民同士の支え合いの重要性を強調。佐喜真淳宜野湾市長は「人材確保が進まなければ地域密着型サービスは広がらない」として、基金を活用した人材対策を求めた。
さらに、中山義隆石垣市長は「民間業者も人材不足だ」と指摘。他市町村からも、採算性や人材面の課題を問う意見が出された。また県の関与のあり方についても「役割分担を明確にし、丸投げにならないようリーダーシップを」と注文が付いた。県側は「任せるのではなく伴走支援で関わる」と応じた。
市町村提案の学校給食無償化では、沖縄市の花城大輔市長が、物価高騰による保護者負担の増加と自治体間格差を指摘し「全ての子どもを対象に全額県費での無償化を早期に実現してほしい」と求めた。
県は現状、小学生は国の交付金で支援し、中学生は県が半額を補助していると説明。玉城知事は「子どもの健やかな成長のため重要な施策」としつつも、「国の動向や財源を踏まえ、市町村の負担分を県で負担できないか検討する」と述べるにとどめた。
前泊正人竹富町長は「子どもの時間は限られている。もっと大胆な施策を進めるべき」と述べるなど、公約実現を求める声が相次いだ。
このほか会議では、沖縄振興特別措置法の見直しに向けた取り組みや宿泊税導入の進捗など10項目が報告された。