排ガス 安全性強調も懸念 住民と市、協議継続へ 名蔵公民館 廃プラ焼却へ説明会 

廃プラ類焼却開始に向けて市の住民説明会が開かれた=27日夜、名蔵公民館

 石垣市は、ごみ焼却施設(クリーンセンター)で廃プラスチック類の焼却処分を開始するため、周辺住民対象の説明会を27日夜、名蔵公民館で開いた。地域住民10人が参加。市環境課の担当者は、廃プラ類の焼却開始後も、排ガス濃度は国の基準や、地元住民との約束を下回る濃度にとどまると安全性を強調した。住民側は、廃プラ類焼却後に発生する排ガスの拡散を重ねて懸念した。両者は今後も協議を続ける。

 市は1997年のクリーンセンター整備時、周辺の名蔵地区、嵩田地区住民と廃プラ類を焼却しないことなどを盛り込んだ協定を交わした。しかし、ごみを埋め立てる一般廃棄物最終処分場を延命化するため方針を転換。クリーンセンター内で廃プラ類を焼却可能とする施設整備を行うため、周辺住民と意見交換の場を持った。
 市環境課は、クリーンセンターの施設整備によって、処理能力が低下した設備の機能回復、15年以上の延命化なども図る方針を示した。
 住民からは、ダイオキシンなどの排ガスについて「拡散する可能性がある」と不安を訴える声が出た。市側は排ガス量について「微量だ」と理解を求めた。
 廃プラ類焼却開始後、最終処分場に埋め立てられたごみを掘り起こし、島外に海上輸送して民間業者に処理を委託する方針も説明した。
 住民からは「自分たちのごみを島外に持ち出して処分してもらうのは辛い。もっと前から考えれば、いろいろな案が出たと思う」と行政の取り組みの遅れを批判する声が出た。野底由紀子市民保健部長は「最終的には、ごみは石垣市の中で処理するという循環型社会を目指したい」と応じた。
 説明会後、参加者の男性(65)は「本当にダイオキシンを出さないのか疑問を感じる。市には、安心できる具体的な説明を求めたい」と要望。市環境課の前浜孝始課長は「住民の理解が得られてから廃プラ類の焼却をしたい」と述べ、住民との協定見直しも含め、協議を継続する方針を示した。
 住民説明会は28日午後7時半から、嵩田公民館で開かれる。

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