【視点】安全保障問題に揺れた沖縄

 沖縄は今年も、米軍基地問題や自衛隊配備問題など、日本の安全保障をめぐる問題で揺れた。沖縄がいやおうなしに、日本の防衛を担う最前線の地理的位置に立たされていることを改めて認識する。そんな1年だった。
 最も衝撃的だった出来事は、現職の知事だった翁長雄志氏の急逝だ。米軍普天間飛行場の辺野古移設問題で政府と激しく対立し、2期目を目指す知事選を直前にしていただけに、混乱は大きかった。しかし翁長氏の後継者として急きょ、玉城デニー氏が登場し、知事選で圧勝した。「翁長氏の遺志を継ぐ」と表明しているが、大方の予想通り、いばらの道が続いている。
 玉城知事や辺野古移設反対派が起死回生の手段として期待するのが「辺野古米軍基地建設のための埋め立て」を問う来年2月24日の県民投票だが、保守系の首長が在任する市を中心に、執行を拒否する動きが相次いだ。各市の最終的な動向は年明けに明らかになりそうだが、一連の騒動を見ていても、反対派の意見を一方的に押し付けるような県民投票には、かなり無理があることが分かる。
 実際に県民投票から離脱する市が相次ぐことになれば、県民投票は有名無実化する。県民の民意を示すどころか、辺野古移設問題をめぐって県民が大きく分断された姿を全国に発信することになるだろう。
 国と県は今後、法廷闘争に突入することがほぼ確実視されている。来年度の沖縄振興予算案は前年度当初と同額の3010億円にとどまり、2021年度の沖縄振興計画期限切れまで、あと2年しかない。県民の未来を左右する大事な時期だというのに、県と政府は今後、果たして正常に連携できるのか。日本の安全保障や外交をめぐる問題で、政府と一地方が不毛な対立を続ける異様な姿には、そろそろ決着をつけてほしい。

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