【視点】無神経な韓国大統領発言

 日本の韓国に対する評価も急落している。「外交青書」では2014年の時点で、韓国について「自由、民主主義、基本的人権などの基本的な価値と、地域の平和と安定の確保などの利益を共有する日本にとって、最も重要な隣国」と表現されていた。しかし、18年には「日韓両国の連携と協力はアジア太平洋地域の平和と安定にとって不可欠である」というそっけない記述に変わった。
 日韓関係の悪化は、単なる二国間関係のつまづきと受け止めるべきではない。日本は中国とは尖閣諸島問題、北朝鮮とは拉致問題、核・ミサイル問題、ロシアとは北方領土問題を抱える。いずれも当面の対立は沈静化の方向にあるが、日本としては、これらの国は決して信頼できる隣国とは言えない。そこへ韓国との関係悪化も加われば、文字通り四面楚歌の状態だ。
 いずれも、対立の責任は日本にはない。隣国の野放図な拡張主義や人権無視・国際法無視の被害が日本に及んでいる。
 日本を取り巻く厳しい国際環境を、いわばつけ回すような形で次世代に残していいのか。非常に憂慮される事態であり、日本としては、各個撃破のような形で一つひとつ課題解決に取り組むほかない。
 安倍政権では首脳の相互訪問などの外交攻勢に加え、中国や北朝鮮に対しては日米同盟の堅持と防衛力増強による抑止力強化、ロシアとは北方領土問題をめぐるプーチン大統領とのトップ交渉が図られている。
 しかし韓国に対しては、文政権の対応を見る限り、あえて関係改善を急ぐ必要はないと判断せざるを得ないだろう。

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