進む大型化・重武装化 中国公船の航行長期化 尖閣周辺

尖閣諸島周辺海域を航行する中国の「海警35115」(2016年8月6日撮影、海上保安庁提供=右写真)

 尖閣諸島(石垣市)周辺海域で領海侵入を繰り返している中国海警局は近年、警備に当たる海上保安庁の巡視船を圧倒する勢いで船舶の大型化・重武装化と増強を続けている。2012年の尖閣国有化を契機に本格化した中国公船の航行について、笹川平和財団の竹田純一客員研究員は「中国にとって政治任務である以上、簡単には退かないだろう」とさらなる長期化を予測。双方の誤解による偶発的な衝突発生を懸念する。

 安倍晋三首相と中国の習近平国家主席が18年10月、北京で会談するなど、日中関係は改善基調にあるが、中国側は尖閣諸島に対する強硬な領有権主張を緩めていない。
 海保によると、中国海警局の船による尖閣周辺海域での領海侵入は、昨年は月1~2回だったが、今年は月3回にペースが上がり、4月8日までに11回に達した。
 海警局の勢力増強も進む。海保によると、尖閣国有化の12年時点で1000㌧以上の船舶保有隻数は海保51隻、中国側40隻だったが、14年時点では日中が逆転、18年6月末時点で海保67隻、中国側145隻と、倍以上の差で中国側が優位に立った。米国防総省は18年、報告書で中国海警局を「世界最大のコーストガード(沿岸警備隊)」と呼ぶに至った。

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