【青年弁論大会】日本民族にとっての沖縄 国民同胞感と祖国防衛の精神の恢復(かいふく)を目指して

 祖国復帰の真実、日本民族にとっての沖縄とは何かを語るにあたって、私が忘れてはならないと思うのが金城和信先生です。しかし、和信先生は沖縄の祖国復帰を声高に訴えた方ではありません。この方は、沖縄戦の戦歿者の遺骨拾収と慰霊、そして遺家族への支援に余生の全てを捧げた方です。占領初期の沖縄では至る所に遺骨が散らばっていながらも、その拾収は米軍に敵対行為とみなされる恐れがあったので、誰一人手を触れようとしませんでした。また、祖国に殉じた方やその遺家族に対して物心両面から処遇することは、本来国の務めでありますが、当時は日本に主権はありませんでしたので政府も何もできませんでした。その状況の中、和信先生は「遺骨の拾収によって刑に処せられることがあるならば、自分は喜んでこの首を供する」と断言し、命懸けで同胞の遺骨を拾収し、遂には慰霊塔を建立しました。それが魂魄の塔、ひめゆりの塔、健児の塔、しづたまの碑であります。祖国の運命に命を捧げたのにもかかわらず、その御霊は還る場所を見失い、且つ見捨てられかけていた中、日本政府と一億国民に代わって唯一人和信先生は手を差し伸べ、「国のいのち」に連なった存在として祖国のもとに還し、御霊を守ったのであります。

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