【視点】「人生100年時代」の覚悟を

 金融庁の金融審議会は3日、長寿化による「人生100年時代」に関する報告書で、年金だけでは老後の資金を賄えず、95歳まで生きるには夫婦で2千万円の蓄えが必要になると試算した。これに対し批判が相次ぎ、政府が事実上、報告書の撤回を求める事態となっている。
 沖縄県民の1人当たり年間県民所得は約230万円で、2千万円は年収の10倍を意味する。一般的な県民の貯蓄額として現実的な数字ではない。しかし批判はともかく、報告書は報告書として、若者も将来の社会のあり方や人生設計を考え直す機会にすべきだ。
 少子高齢化が進む中で、60代でリタイアという従来の概念は見直しを迫られている。人生100年時代を見据えれば、あと40年近い人生が残っていることになり、単に若者に養われて生きるだけの後半生になるのは淋しい。
 若者への世代交代は大事だが、仮に第一線からは退くとしても、何らかの形で社会や企業と関わり続ける仕組みを構築したい。企業や官公庁でも定年延長は一般的になりつつあるが、これからの時代、引退は「少なくとも70代から」である。

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