【視点】岐路に立つ自治基本条例

 10年前に県内で初めて制定された石垣市の自治基本条例が岐路に立たされている。条例の目玉である住民投票制度の運用を巡り「条例の不備」がクローズアップされる中、市議会の与党を中心に条例を抜本的に見直す動きが本格化しているからだ。市民レベルでも、同条例の存在意義を改めて問い直す時が来ているようだ。
 同条例は「自治体の憲法」とされ、まちづくりの基本理念や、市政への市民の参画、市政と市民の協働などをうたう。
 条例制定時から最も注目されたのが、住民投票の規定だ。市民が住民投票の実施を市に請求する場合、有権者の50分の1以上の署名で住民投票条例の制定を市長に請求するのが地方自治法の手続きだが、自治基本条例は別個に新たな手続きを定めた。
 有権者の4分の1以上の署名で市長に住民投票を請求した場合、市長は「所定の手続きを経て、住民投票を実施しなければならない」と規定したのだ。
 だが同条例には、住民投票の実施に当たって決めなくてはならない重要事項である投票資格者の範囲や、投票の方法などを定める「所定の手続き」に関する規定が欠落している。
 市は「地方自治法の規定を準用し、別個に住民投票条例を定めなくてはならない」と解釈。陸上自衛隊配備計画の賛否を問うため、有権者の4分の1を超える署名を集めた市民グループは結局、自治基本条例ではなく、地方自治法に基づいて住民投票条例の制定を市長に請求した。最終的には議会で否決されるに至っている。

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