【視点】防衛相と初会談 知事の戦略見えず

 就任後、初めて沖縄を訪れた河野太郎防衛相が9月29日、県庁で玉城デニー知事と会談したが、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の辺野古移設問題を巡り、双方が主張を述べ合うだけの場に終わった。普天間の全面返還と日米同盟の抑止力維持の必要性を訴える河野氏に対し、玉城氏は「新基地建設反対」を繰り返すのみの硬直的な対応に終始した。移設工事をさらに推進する意向の安倍政権に対し、今後どのように対応するつもりなのか、県政としての戦略が全く見えない。
 玉城氏は過去2回の知事選、衆院補選、参院選、さらに2月の県民投票の結果を挙げ「辺野古埋め立てに反対という県民の民意は揺るぎない」と強調。直ちに工事を中止するよう求めた。
 民主主義社会で何より尊重されるべきは民意であることに何の異論もない。ただ安全保障や軍事は、情報公開や多数決といった民主主義の手法を全面的、直接的に適用することができない分野だ。それは民主主義国家の日本であれ米国であれ同じである。辺野古移設問題の難しさもそこにある。
 河野氏は「普天間の全面閉鎖、全面返還のための辺野古移設」と説明。「北東アジアの安全保障環境が非常に厳しくなっている」と述べ、抑止力維持のためにも辺野古移設が唯一の方策との考えを改めて示した。
 これに対し、玉城氏は声を上ずらせ「抑止力の問題は日米同盟における安全保障体制の話だから、沖縄と米軍の話ではない。日本全体で安全保障を担うためにはどうすればいいか、しっかりと、国民の皆さんに自分事として考えてほしい」などと反論した。
 何が言いたいのかよく分からないが、沖縄に抑止力の話をされても困ると感情的に抗議しているようにも聞こえる。現に国の安全保障政策と真っ向から対立する政策を進めながら「安全保障は日本全体で考えるべき」などと議論から逃げる姿勢は残念だ。

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