リゾートに揺れる竹富島 開発事業者が住民を提訴

竹富島を守る会は提訴を受けて臨時集会を開き、裁判で争うことを全会一致で決議した=3日、まちなみ館

 竹富島のコンドイビーチ付近でリゾートホテル建設を計画している㈱RJエステート(一丸秀信代表取締役)=那覇市=が同計画に反対している住民団体「竹富島を守る会」の阿佐伊拓会長個人を名誉毀損で提訴した。同会は3日、まちなみ館で臨時集会を開催し、全会一致で提訴に抗議し、会として対峙していくことを決議した。約60人の地域住民が出席した。

 訴状は8月8日付け。訴状によると、同会による「生活用水が枯渇の恐れがある」「排水がもたらす環境破壊」などとホテル建設に反対する主張や意見表明が、極めて悪質な事業者の印象を与えているとして、同会が発信するウェブページ上の文章や動画の削除、謝罪文の掲載、賠償額2200万円の支払いなどを求めている。
 同会弁護団の金髙望弁護士は「皆さんが作った、ささやかな自然を守りたいという内容のホームページの、どこが名誉毀損なのか」と提訴を批判し「反対運動を萎縮させることが目的の戦略的な訴訟であり、許容できない」と断じた。
 守る会の新田長史副会長は「訴えられたことにより、ますますエネルギーが湧いてきた」と反対運動の強化を訴え、また会場からも「住民を訴えるなんて信じられない」などと事業者への怒りの声が噴出。臨時集会に出席した住民の田中耕二さんは「みんなで協力したら怖くない」と住民の結束に期待した。第1回口頭弁論は11日に、那覇地方裁判所で開かれる。

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