【視点】「沖縄のシンボル」焼失の衝撃

 首里城の正殿など主要部分が10月31日未明に焼失した。沖縄のシンボルとして多くの県民に親しまれる建造物が一夜にして灰燼(かいじん)に帰した。玉城デニー知事は「アイデンティティのよりどころを失ってしまった」と語ったが、衝撃は計り知れない。沖縄本島では同日予定されていたさまざまなイベントが相次いで中止になり、テレビのローカルニュースは火災関連の話題一色になった。
 首里城は琉球王国(1429~1879年)時代を代表する建造物で、那覇市街を見下ろす高台にある。1945年の沖縄戦で焼失したが、戦後復元された。
 ホームページによると、国王とその家族が居住する「王宮」であると同時に、王国統治の行政機関「首里王府」の本部だった。
 王国の祭祀(さいし)を運営する宗教上のネットワークの拠点、さらに、芸能・音楽が盛んに演じられる場で文化芸術の中心でもあった。
 国王が政治や儀式を執り行う「正殿」は、2層3階建ての造りや竜の彫刻を施した柱など、琉球独特の意匠を施した。中国の使節を迎える「北殿」は中国風、薩摩藩の使節を迎える「南殿」は日本風の建築様式を採用している。国王が日常の執務を行った書院、王子などの控え所である鎖之間(さすのま)、国王の日常的な居室として使われた「二階御殿」などもある。こうした主要施設が、いずれも今回の火災で失われた。

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