【視点】最長政権、改憲の道筋見えぬまま

 安倍晋三首相の通算在職日数が20日、憲政史上最長となった。集団的自衛権の行使容認と安全保障関連法の成立、日米、日中関係の安定化など、内政や外交に手腕を発揮してきたが、任期が残り2年と迫る中、首相の悲願である憲法改正の道筋はいまだに見えない。
 安倍首相は憲法に自衛隊を明記する改正を2020年に施行したい方針を示していたが、野党には反対論が根強く、与党の公明党も慎重姿勢を崩していない。
 首相としては、いかに史上最長政権を実現したとはいえ、このまま任期満了を迎えては、画竜点睛(がりょうてんせい)を欠く思いではないか。
 戦後の歴代内閣の中でも、とりわけ安倍首相は改憲の実現に熱意を燃やしてきた。戦後70年以上も未着手だった宿題に手をつけたのだから、話がスムーズに進むわけはないが、それにしても改憲の気運に盛り上がりが感じられない。
 「ポスト安倍」の有力候補とされる政治家たちの顔ぶれを見ても、改憲を大きな政治課題として推し進めようとする意欲は、さほど伝わってこない。安倍首相の任期中に改憲できなければ、憲法論議は振り出しに戻りかねないのではないか。
 厳しい現実に対し、改憲に対する国民の意識が追いついていない一方で、安倍首相も含め、旗振り役になるべき政治家の側も、アピール力に不足があることは否めない。
 菅義偉官房長官は19日の記者会見で、最長政権となった感想を問われ「やるべきことを明確に掲げ、政治主導で政策に取り組んできた。一貫して取り組んできたのが経済最優先だ。実際に経済状況は大幅に改善しており、こうしたことが大きいと思う」と述べた。

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