教育・スポーツ OKINAWA考古学(15) 生産遺跡と呼ばれるものがある。ものづくりに関わったあとの残る遺跡のことで、具体的には製塩・製鉄・鍛冶・炭窯・鋳造・工場跡などである。 先島諸島の沿岸では数多くの生産遺跡が確認されている。建築物等に使用する石材を切り取った場所である石切場跡、潮の干満の差を利用して魚を獲る魚垣跡等などがそれだ。 魚垣は、海岸の一部を石積みにより囲む形が一般的だ。 満潮時には囲まれた部分に魚が入ってきて、干潮時になると… 2022/06/30
教育・スポーツ OKINAWA考古学(12) 前回の続き。読者からの質問で二番目に多かったのが「勝手に持って帰ったら捕まるのだろうか」というもの。 そもそも、海底の遺物を持ち帰るというのは、「落とし物を拾う」行為に相当する。陸上で物を拾えば警察に届けるのが義務だ。では水中の場合はどうか。 まず、海岸等に有価物(割れていない皿や壺など)が漂着した場合は、遺失物法の適用を受ける。一方、有価物が漂流物又は沈没品として回収された場合は、水難救護法の適… 2022/06/27
教育・スポーツ うつぐみの精神引き継ぐ 竹富小学校が130周年 「祝130周年 飛び立て竹富小学校 輝け島の宝」をスローガンにした、竹富町立竹富小学校創立130周年式典が25日午前、同校体育館で開かれた。児童生徒、職員、PTA、地域住民らが集い、130年のあゆみに思いを馳せ、創立を皆で祝福した。 2022/06/26
教育・スポーツ OKINAWA考古学(11) 連載開始からまもなく4カ月になろうとしているOKINAWA考古学。ここらで読者の皆様からのご質問に答えていきたい。多かったのが、この質問だ。 「掲載されている写真は難破船の残骸や割れた陶磁器などがほとんどだが、割れていないものが見つかった例はないのか?」 「海底遺跡の調査の歴史は新しく、まだまだ分かっていないことが多い。海底の遺物についても、どのような状態で見つかったのか。他に遺物はないのか。散布… 2022/06/26
教育・スポーツ OKINAWA考古学(10) 先週に引き続き、沖縄本島うるま市沖合の南浮原島の海底に眠る難破船の遺物の紹介。沖縄県立埋蔵文化財センターの調査によると、海底の砂の中から船釘が2本露出しており、木製の船体の一部が残っていることが推察されるという。 また、海底の岩の間には透明なガラス製品や、鳥を模した装飾品などが見つかっている(写真1)。いつ頃の船なのか興味深い。 現場からは船体を安定させる重りとして使用されたバラストも見つかってい… 2022/06/25
教育・スポーツ OKINAWA考古学(8) 多良間島北西部・高田海岸沖の海底遺跡。この海域で座礁・難破したオランダ商船ファンボッセ号の残骸と考えられる多量の遺物が確認されている。中国産陶器や、船の銅釘(写真1)、転覆を防ぐバラスト(重し)も見つかっている(写真2)。 なお、中には、用途の特定できない銅製品の破片も見つかっている(写真3)。一体、船のどこの部品だったのだろうか(写真提供=沖縄県立埋蔵文化財センター。同センター調査報告書第52集… 2022/06/23
教育・スポーツ OKINAWA考古学(7) 先週お知らせした、多良間島北西部の高田海岸。難破したファンボッセ号は、上海からシンガポールに向かう途中だったとされている。沖縄県立埋蔵文化財センターでは、写真左奥に見える2つの岩の近くの海底で遺物を多数確認した。恐らく、この近くで座礁したのだと考えられる。 その1つが、中国産青花皿。絵付けが消えかけており、割れた部分が丸くなっていることなどから、海底で何度も摩擦を受けていたようだ。難破さえしなけれ… 2022/06/22
教育・スポーツ OKINAWA考古学(5) 潜水調査では、遺物が確認出来た場所に目印をつけ、散布している範囲を調べる(写真1)。海底に半分以上埋没している場合もあり、砂を払って遺物の確認を行ったり、2人がかりで連携を取りながら、GPSで位置記録を取ったりする。潜る時間が長くなるのも、むべなるかなだ。 ともあれ、努力の甲斐もあって、来間島沖の海底では、中国産青花皿、青磁碗、青磁香炉などを特定できている。大型の壺類も積んでいた船もあったと推定さ… 2022/06/20
教育・スポーツ OKINAWA考古学(4) 宮古島南西に位置する小さな島、来間島。西部の海岸(写真1)には、16世紀前半と考えられる中国産陶磁器が多数確認されている。内面に十字花文が描かれた青花皿も漂着していた。浜辺の散歩が楽しくなりそうである。 海底も同様だった。沖縄県立埋蔵文化財センターが調査したところ、青花を中心に青磁・白磁・褐釉陶器などが見つかったのだ。琉球王国の全盛期には、中国と琉球との間に多くの貿易船が行き交った。同時期の県の陸… 2022/06/19
教育・スポーツ 沖国大創立時の「難産」語る 大濱信泉氏の音声新発見 石垣市出身の法学者で、元早稲田大学総長の大濱信泉氏(1981~76)が73、74年に開かれた沖縄国際大学の式典に出席した際の音声と写真が新たに発見された。音声では、72年に既存の大学2校が統合して同大が誕生した際、仲介役として奔走した経緯を振り返り「(自分は)産婆役だった)「流産させようと思ったこともあった」などと語っている。3日、前津榮健学長が石垣市教育委員会を訪れ、音声と写真のデータを﨑山晃… 2022/06/04
教育・スポーツ 【50年のあしあと②】校長権限で国旗掲揚断行 教員団体は「自然消滅」 元校長・鳩間昇さん ■幻の復帰記念メダル 沖教組八重山支部は米軍基地を残したままの復帰に反発した。政府は1972年4月、復帰記念メダルを製作し、各学校を通じて子どもたちに配布を依頼したが、沖教組は拒否した。 復帰を祝う立場の鳩間さんは、当然のこととして自らが担任するクラスにメダルを配布した。「他のクラスの子どもたちは受け取らなかったと聞いている。あのメダルは今、どこかで積み上げられたままになっているのではないか」と苦… 2022/05/28
教育・スポーツ 【50年のあしあと①】日の丸掲げて復帰行進 仲間と新たな教員団体 元校長・鳩間昇さん 小中学校イベントでの「日の丸」掲揚は現在では当たり前の光景になったが、1999年の国旗国歌法制定以前は、学校現場で県教職員組合(沖教組)の激しい反対運動もあった。そうした中、元小中学校校長の鳩間昇さん(84)=石垣市平得=は現役時代、一貫して「日の丸」掲揚を推進してきた硬骨の教職員だった。 ■純粋な復帰運動 琉球大農学部卒業後、1960年に教員になり、理科教育などを担当した。当時、沖縄の日本復帰運… 2022/05/28
教育・スポーツ 町民運動会6年ぶり開催 「やまねこ」は3年ぶり 竹富町体育協会が総会 竹富町体育協会(会長・前泊正人町長)が24日、町役場で開かれ、同協会主催の第37回町球技大会、第20回町民運動会、第28回やまねこマラソン大会を6月~来年2月にかけて開催する方針を承認した。3大会は前回、新型コロナウイルス禍で中止や延期となっており、球技大会とやまねこマラソンは3年ぶり、町民運動会は6年ぶりの開催となる。 2022/05/25
教育・スポーツ 与那国のトカゲ、実は新種 他の島々と隔離、独自に進化 与那国島に生息し、先島諸島の他の島々に分布するサキシマスベトカゲと同種と考えられていた小型のトカゲが、実際には固有の新種であったことが京都大学理学研究科・教務補佐員の小泉有希氏らの研究で分かった。先島諸島の島々のうち与那国島のみが、長期にわたって他から大きく隔離され続け、動植物が独自の進化を遂げてきたことを示す一つの証拠になると見られる。 研究成果をまとめた論文はこのほど小泉氏、兵庫県立大学自然・… 2022/05/09
教育・スポーツ 児童虐待相談、20年最多231件 市民の問題意識向上で 石垣市 子どもの健やかな健康を国民全体で考えようと「児童福祉週間」が5日から始まる。石垣市のまとめによると、2020年の児童虐待相談件数は231件で過去最多になり、21年度もほぼ同様の高い水準で推移している。児童虐待に対する市民の意識が高まり、従来は虐待と認識されていなかったケースも含めて問題化されることが増えたためと見られている。市子ども家庭課は、子育てに困った場合「相談してほしい」と呼び掛けている。 … 2022/05/05
教育・スポーツ 元五輪選手が指導者に 水泳教室コーチの高橋美帆さん 「場所も人々も温かく」 五輪に2度の出場経験がある元水泳選手の高橋美帆さん(29)=石垣=がこのほど、石垣市新川の水泳教室「海邦スポーツクラブ」のコーチに就任した。五輪選手が島内で指導者となる例は非常に珍しく、注目を集めている。 2022/04/24
教育・スポーツ 菊池(男子)、蔵本(女子)初優勝 リレーは海邦スポーツクラブV 石垣島トライアスロン大会 石垣島トライアスロン大会2022・第8回八重山郡トライアスロン大会(主催・同大会実行委員会)が17日、南ぬ浜(ぱいぬはま)町をスタート・フィニッシュ地点に開催された。1089人が出走し、940人が完走。完走率は86・3%だった。リレーには59チーム、177人が出走した。 総合男子は菊池朋明(33)=東京都=、総合女子では蔵本葵(33)=東京都=がともに初出場で初優勝を果たした。 スタート時の… 2022/04/18
教育・スポーツ 「ひたちなかと石垣のかけはしに」 茨城から八重高入学 西野心愛さん 茨城県ひたちなか市立佐野中学校から西野心愛(ここあ)さん(15)がこの春、八重山高校に入学した。心愛さんは、ひたちなか市石垣市友好都市市民の会(松本光栄会長、会員50人)で事務局長を務める祖父の西野滋夫さん(73)と一緒に2歳から石垣島にほぼ毎年訪れており、進学を機に八重山高校への受験を決意。見事合格し、8日午後、滋夫さん、母・真澄さんと中山義隆市長に合格報告した。 2022/04/10
教育・スポーツ 男子西川、女子川崎V 2年ぶり大会、1439人完走 石垣島マラソン 第19回石垣島マラソン(主催・石垣市、石垣市教育委員会、石垣市体育協会)が20日、石垣市中央運動公園を発着点にフル、24㌔、10㌔の3コースで行われ、フル男子は西川朋秀(21)=中城村=、フル女子は川崎望(43)=東京都=が共に初優勝を果たした。コロナ禍で2年ぶりの開催となり、大会には3コース合計で1477人が出場し、1439人が完走。完走率は97%だった。 621人が参加したフルでは、男子は… 2022/03/21
教育・スポーツ コロナ禍の春 400人余巣立つ 県立高校で一斉に卒業式 県立高校の卒業式が1日、八重山の4高校で行われた。各高で新型コロナウイルス感染対策が徹底され、八重山高校222人、八重山商工高校117人(定時制含む)、八重山農林高校84人、八重山特別支援学校4人の計427人の卒業生が、新しい進路への希望を胸に、慣れ親しんだ学び舎を巣立った。 2022/03/02