視点 【視点】「オール沖縄」の枠組み崩壊 衆院選で気になるのは、玉城デニー知事を支え、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する「オール沖縄」勢力の行方だ。 辺野古移設反対の政策では共通するれいわ新選組が、1区と4区に独自候補を立てた。二つの選挙区では、辺野古をワンイシューに掲げ、さまざまな政党や団体の大同団結で求心力を維持してきた「オール沖縄」の枠組みが事実上崩壊した。 「オール沖縄」勢力は1区で共産現職を擁立しており、共産党の… 2024/10/10
視点 【視点】「資産運用立国」へ環境整備を 石破茂政権の発足を受け、東京株式市場では9月30日、日経平均株価が急落し「石破ショック」と報じられた。翌10月1日の日経平均株価は大幅に回復したが、石破政権の経済政策に対する警戒感から、市場は不安定な状況が続いている。それは取りも直さず、成長軌道に乗り切れない日本経済の不安定さを示している。 石破首相は2日、全国証券大会にビデオメッセージを寄せ、岸田文雄前政権が打ち出した「資産運用立国」を継承… 2024/10/04
視点 【視点】新首相 安保、振興で目に見える成果を 自民党の石破茂総裁が1日の臨時国会で首相に指名される。9日には衆院を解散し、15日公示、27日投開票の衆院選に突入する。石破政権は発足直後に国民の審判を受けることになる。 沖縄の衆院選では、米軍基地問題や台湾有事の懸念に石破氏がどう対応するかが関心事になる。沖縄振興のあり方も主要争点だ。 石破氏は自民党総裁選に5度目の挑戦で悲願を達成した。沖縄でも党員票はトップだった。世論の期待の高さがうか… 2024/10/01
視点 【視点】関係悪化 中国は責任自覚を 日中関係が先鋭化している。中国広東省深圳の日本人男児刺殺、中国軍機の領空侵犯、中国空母の与那国島―西表島間航行と、日本の国民感情を逆なでする事件が続発しているためだ。中国は両国関係悪化の全責任が自らにあることを自覚し、行動を改めるべきだ。 男児刺殺事件を巡っては、上川陽子外相が中国の王毅外相との会談で、一刻も早い事実解明と日本への説明、悪質で反日的なSNS投稿の取り締まりなどを要求した。 だ… 2024/09/28
視点 【視点】立憲新代表 現実主義への転換を 政権交代を目指すなら、現実主義への転換は不可欠だ。自民党への批判や耳当たりのいいフレーズばかりが目立った立憲民主党の代表選だが、11月にも予想される衆院選に向け、政策立案能力がシビアに問われてくる。 立憲民主党の新代表に野田佳彦元首相が当選した。自らが首相として衆院選に臨んだ2012年以来、12年ぶりの政党党首返り咲きとなる。 「右」の自民党に対し「左」の立憲という立ち位置の中で、リベラルに… 2024/09/24
視点 【視点】八重山周辺に空母 離島に不安 八重山住民に対する露骨な威嚇ではないか。中国海軍の空母「遼寧」とミサイル駆逐艦2隻が17日、石垣市の尖閣諸島・魚釣島周辺から与那国島と西表島間の海域へ進み、太平洋へ向かった。 防衛省によると、中国空母による与那国島と西表島間の航行が確認されたのは初めてという。 空母は戦闘機を搭載して他国を攻撃するための艦船だ。空母の航行や接近は、それ自体が周辺国に対する直接的な武力行使を想起させる。 実際… 2024/09/20
視点 【視点】総裁選 首相主導で沖縄振興を 自民党総裁選に立候補した9氏の沖縄政策は、どのようなものか。那覇市の演説会で、それをかいま見ることができた。 9人はかりゆしウェアを着て会場に現れ、壇上で熱弁を振るった。国政から手を差し伸べなくてはならない沖縄の課題は多岐に渡る。限られた時間で、候補者の政策がつまびらかにされたとは言えない。 とはいえ、候補者それぞれの「沖縄観」がうかがえたことは興味深かった。事実上の次期首相を選ぶ選挙で、沖… 2024/09/19
視点 【視点】米大統領選 魔法の候補者はいない 米大統領選は11月5日の投票まで2カ月足らずに迫った。中国の軍事的台頭、ロシアのウクライナ侵攻、ガザの紛争と国際情勢が緊張度を増す中、民主主義陣営のリーダーである米国の動向は世界に大きな影響を与える。国内外から大きな注目を浴びている選挙だ。 今月10日には民主党候補のハリス副大統領と共和党候補のトランプ前大統領が初のテレビ討論を行った。 ハリス氏は住宅購入の補助やスタートアップ企業に対する減税… 2024/09/17
視点 【視点】候補者は国家像示せ 事実上、次期首相を決める自民党総裁選に過去最多の9人が立候補した。いわゆる「裏金」問題を抱える旧安倍派を除き、党内で、将来の首相候補と目されていた人物のほとんどが名乗りを上げた。11月にも予想される衆院選に向け「選挙の顔」選びの総力戦になっている。 総裁選の争点として選択制夫婦別姓の導入など、細かい政策論のような話も出ているが、私たちが候補者から聞きたいのは、リーダーとして世界の中でどのような… 2024/09/14
視点 【視点】「オール沖縄」は終焉に向かう 宜野湾市長選が8日投開票され、米軍普天間飛行場(同市)の名護市辺野古移設を容認する元市長の佐喜真淳氏が6年ぶりに返り咲いた。玉城デニー知事を支え、辺野古移設に反対する「オール沖縄」勢力は元市議の桃原功氏を擁立したが、約2万4千票を獲得した佐喜真氏に対し、約8千票の大差で敗れた。 「オール沖縄」勢力は6月の県議選に続く敗北で、退潮傾向に歯止めが掛からない。最大の要因は辺野古移設工事が進展し、移設… 2024/09/11
視点 【視点】民主主義への脅威と八重山 民主主義は世界で圧迫を受け、衰退の危機にさらされている。最近の国際情勢を見ると、そう受け取らざるを得ない。 南米ベネズエラでは7月の大統領選で、強権色を強めるマドゥロ大統領が選挙結果の詳細を公表しないまま、一方的に自らの当選を発表した。 不正選挙の内部告発も飛び出し、野党候補は独自集計で勝利を宣言した。だがマドゥロ氏はこれを認めず、野党候補の逮捕状を取る事態に至っている。 米国などは野党候… 2024/09/06
視点 【視点】「特定利用」問われる県の姿勢 政府が有事を見据え、自衛隊や海上保安庁が円滑に利用できるよう整備する「特定利用空港・港湾」は今月、全国で28カ所になった。 指定は4月の16カ所を皮切りに各地で進んでいる。沖縄では4月に指定された国管理の那覇空港と石垣市管理の石垣港だけだが、全国では福井、熊本、鹿児島で追加指定があった。 沖縄で追加指定がないのは、地元自治体が要望する新石垣空港(石垣市)や与那国空港(与那国町)などの指定に管… 2024/09/01
視点 【視点】中国軍の侵犯 万全の警戒を 中国軍のY9情報収集機1機が26日、長崎県五島市の男女群島沖で領空侵犯した。中国軍機の領空侵犯は初めてで、木原稔防衛相は「主権の重大な侵害」と非難した。 防衛省の発表によると、Y9情報収集機は3日にも沖縄本島と宮古島間や、与那国島沖で飛行しているのが確認された。行動範囲は男女群島沖の周辺にとどまらず、沖縄、八重山にも及んでいる可能性が高い。 中国軍機や艦艇の活動は、実際には多くが沖縄周辺に集… 2024/08/29
視点 【視点】普天間撤去の道筋明示を 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向け、防衛省は軟弱地盤がある大浦湾側での埋め立て工事に本格着手した。反対派の抗議活動で死傷者が出た名護市の安和桟橋では、中断していた土砂の運搬作業を再開した。政府は早期に移設作業を完了させ、普天間飛行場の完全撤去に向けた道筋を明示する必要がある。 宜野湾市を訪れると、市街地を占拠するような普天間飛行場の巨大さに圧倒される。この基地の撤去は政治的にも、物理的に… 2024/08/25
視点 【視点】普天間撤去の道筋明示を 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向け、防衛省は軟弱地盤がある大浦湾側での埋め立て工事に本格着手した。反対派の抗議活動で死傷者が出た名護市の安和桟橋では、中断していた土砂の運搬作業を再開した。政府は早期に移設作業を完了させ、普天間飛行場の完全撤去に向けた道筋を明示する必要がある。 宜野湾市を訪れると、市街地を占拠するような普天間飛行場の巨大さに圧倒される。この基地の撤去は政治的にも、物理的に… 2024/08/23
視点 【視点】存在が「希望」となるリーダーを 事実上、次期首相を決める自民党総裁選は9月12日告示、27日投開票の日程が決まった。現時点で11人の名前が取り沙汰される混戦だ。多士済々とも言えるが、誰が当選するにせよ、内憂外患の難しいかじ取りを迫られる。 日本が直面する最大の課題は経済の低迷だ。特に中小企業に活力がなく、日本発のイノベーション(技術革新)が生まれない状況が長期にわたって続く。個人消費の低迷で売り上げは伸びず、労働者の実質賃金… 2024/08/21
視点 【視点】首相退陣 世論が退路ふさぐ 岸田文雄首相は14日記者会見し、9月の自民党総裁選に出馬しない意向を示した。事実上の退陣表明となる。 自民党議員が政治資金パーティの収入を「裏金」化していた問題で政権不信が高まり、岸田首相の支持率は各種世論調査で20%台まで低下。次期衆院選での政権交代までささやかれる状況に陥った。党内では「岸田首相では戦えない」という雰囲気が広がりつつあった。 岸田政権は2021年10月の発足から約3年で幕… 2024/08/15
視点 【視点】鎮魂の場 政治と切り離せ 鎮魂の場と政治は切り離すべきだ。長崎市は「原爆の日」の9日に開く平和祈念式典にイスラエルを招待しない方針を示し、日本を除く先進7カ国(G7)と欧州連合(EU)が同市に懸念を表明。6カ国の駐日大使が式典欠席を発表する事態になっている。 長崎市の鈴木史朗市長は、イスラエルを招待しない理由について「政治的な理由ではなく、あくまで平穏かつ厳粛な雰囲気の下で式典を円滑に実施したいという思い」と説明した。… 2024/08/09
視点 【視点】有事の備え、防災と同様に 「有事」とは戦争または戦闘状態であり「有事に備える」と言うと眉をひそめる人も多い。だが現在の沖縄を取り巻く国際情勢を考えると、台風や地震といった災害対策と同様に、住民レベルでも有事への備えを進めておくべきだ。石垣市が1日から住民避難に関する意見交換会を各地で開いたのは、市民に対する啓発としても意義が大きい。 市は他国からの武力攻撃が予測される状況で、全住民や観光客を島外に避難させる案を提示した… 2024/08/07
視点 【視点】民主主義国家の連携で平和守れ 日米の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)、日本、米国、豪州、インドの枠組み「クワッド」の外相会合が相次いで東京で開かれた。2プラス2の共同発表では、尖閣諸島(石垣市)に対する日本の平穏な施政を損なおうとする中国の「力または威圧による一方的な現状変更の試み」に言及。強い反対の意を表明した。尖閣諸島に日米安保条約が適用され、この地域が日米の防衛範囲であることも改めて確認した。 … 2024/07/31