視点 言語道断な事件と現実の負担軽減 北谷町で、在沖米海兵隊所属の男性海軍兵が日本人女性を殺害し、自らも自殺したと見られる事件が起こった。事実だとすれば言語道断の事件であり、米軍には綱紀粛正を改めて強く求めなければならない。 在沖縄米軍トップのエリック・スミス在日海兵隊司令官は15日、沖縄県庁を訪れ、玉城デニー知事に謝罪した。玉城知事が「激しい怒りを覚える。米軍の綱紀粛正と人権教育が全く機能していないと言わざるを得ない」と抗議した… 2019/04/16
視点 【視点】「万国津梁会議」に疑問 玉城デニー知事が昨年9月の知事選で掲げた公約ではあるが、払拭できない幾つかの疑問点がある。有識者らを交えて県政の幅広い課題を議論する「万国津梁会議」の設置についてだ。 知事は12日、就任後初の定例記者会見を開き、6月上旬に同会議の初会合を開催する方針を明らかにした。最初の定例記者会見のテーマに選んだことからも、自身の目玉政策として推進したい意気込みがうかがえる。 万国津梁会議は①人権・平和②… 2019/04/14
視点 【金波銀波】 パーティで東日本大震災の… パーティで東日本大震災の被災地を地盤とする自民党議員の名前を出し「復興以上に大事」と発言した桜田義孝五輪相が、即日更迭された◆「忖度(そんたく)」発言で辞任した塚田一郎元国交副大臣と同様、人間性を疑われる発言で「なぜこんな人が大臣に抜擢されたのか」と思わざるを得ない。安倍晋三首相の任命責任が問われるのは当然だ◆だが、過去には沖縄の米軍基地問題を巡る発言で、特に失言したわけでもないのに厳しい批判に… 2019/04/12
視点 【視点】基地負担軽減、空回りする玉城知事 米軍普天間飛行場の辺野古移設阻止で功を焦る玉城デニー知事の「空回り」が目立つ。 普天間飛行場負担軽減推進会議が10日、官邸で開かれ、玉城知事は、辺野古移設工事の一時的な中断も念頭に、3~6カ月の期間を設定した協議の場を要求した。しかし会議終了後、報道陣の取材に応じた宜野湾市の松川正則市長は「3カ月、6カ月ということではなく、作業部会でしっかり詰めてほしい」と述べ、玉城知事に同調しなかった。菅義… 2019/04/11
視点 【視点】衆院補選、争点は「辺野古」だけか 沖縄本島中北部を選挙区とする衆院沖縄3区補選が告示された。米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する政党などが支援するフリージャーナリストの屋良朝博氏と、自民公認で公明、維新県総支部が推薦する島尻安伊子氏の一騎打ちだ。沖縄では基地や振興策などの関心が高いが、全国的には安倍政権対野党共闘のモデルケースとして注目されている。 沖縄市で開かれた出発式で、屋良氏は「辺野古の海には絶対に一本の指も触れさせな… 2019/04/10
視点 【視点】立志と感動の入学式に 各学校の入学式シーズンを迎えた。ユリ咲き誇る陽春の中で、夢と希望を胸いっぱいに抱いて入学する小学校、中学校、高校の新一年生。その喜びは格別に大きなものだろう。強い決意を持って志を立て、一生の思い出となる学校生活にしてほしい。 沖縄の教育現場では課題も多い。とりわけ深刻なのは学力不振問題だ。国も地方も最大の資源は人材であり、社会に貢献する能力の源泉は幼少時代の勉学にある。 子どもたちには学校生… 2019/04/09
視点 【視点】新元号が運ぶ新たな風 2019年度のスタートは、新元号「令和」の発表から始まった。沖縄でも新元号に対し、県民のさまざまな反応があった。玉城デニー知事は「令和」の世が沖縄にとってどのような時代になることを期待するかを記者団に問われ「戦争のない平和な時代を望む」と述べた。5月1日に皇太子殿下が御即位され、新元号が使用されることになる。伝統を大切にしながら、新たな未来を切り開く気概を新元号から読み取りたい。 「令和」のポ… 2019/04/02
視点 【視点】安全保障 「風」任せでいいか 石垣島平得大俣地区への陸上自衛隊配備計画の賛否を問う住民投票案を巡り、石垣市議会の特別委員会で審議が始まった。しかし、そもそも住民投票は不要とだとする与党側と、住民投票の実施を前提として条文の審議に入りたい野党側の間で認識の相違があり、議論は平行線をたどっている。国の安全保障や外交に関する問題を、一地方の住民投票で問うのは本来、不適切とされる。この住民投票が本当に必要かどうか、改めて考え直してみ… 2019/03/30
視点 【視点】県と国の対立、重い辺野古提訴 米軍普天間飛行場(宜野湾市)の辺野古移設を巡り、県は埋め立て承認撤回の効力を停止した国土交通相の判断の取り消しを求め、国を提訴した。辺野古移設を巡る県と国の裁判は6件目で、玉城デニー県政では初めてとなる。泥沼のような訴訟合戦はいつまで続くのか。安倍政権は普天間飛行場の危険除去を訴えて辺野古移設作業を進めているが、現実を無視して県内移設反対に固執する県の姿勢には疑問を禁じ得ない。 玉城知事は、安… 2019/03/24
視点 【視点】普天間、両立せぬ二つの政策 「普天間飛行場の閉鎖返還を求めていくのは、辺野古新基地を造らせない公約と並んで県の最も重要な政策だ」 18日、米軍普天間飛行場を抱える宜野湾市を就任後初めて訪れた玉城デニー知事は、松川正則市長にこう語った。松川市長は「辺野古移設反対もあるかも知れないが、じゃあ普天間はどうするんだという具体策を一緒になって考えてほしい」と求めた。 普天間飛行場問題を巡り、県が陥った袋小路を象徴しているようなや… 2019/03/20
視点 【視点】大震災あす8年 確実な備えを 東日本大震災からあすで8年。警察庁の発表によると、死者は12都道県で1万5897人。2533人が依然として行方不明で、岩手、宮城、福島の3県では警察官3600人超が遺体の捜索などを継続している。まだ大惨事の爪痕は生々しい。1771年に明和の大津波を経験した八重山にとって、地震や津波の脅威は常に身近にある。住民一人ひとりが改めて防災対策を見つめ直す時だ。 8年前のあの日、どこで、どのように大震災… 2019/03/10
視点 【視点】台湾総統の発言注視を 台湾の蔡英文総統は2日、産経新聞のインタビューに答えた内容として「安保協力で対話のレベルを高めるべきだ」と日台政府間の安保対話を呼び掛けた。沖縄と台湾は文字通り「一衣帯水」の間柄であり、台湾情勢は沖縄の安保環境にも大きな影響を与える。県民としても蔡総統の発言を注視する必要がある。 中国の習近平国家主席は1月、共産党独裁下で高度な自治を認める「一国二制度」による台湾統一を呼び掛けた。台湾統一に向… 2019/03/06
視点 【視点】県、打開策示さねば責任転嫁 「辺野古米軍基地建設のための埋め立て」の賛否を問う県民投票で「反対」が多数となった結果を受け、玉城デニー知事は1日、官邸で安倍晋三首相と会い、米軍普天間飛行場の辺野古移設に対し「辺野古が唯一との日米合意に固執することは、普天間飛行場の固定化につながりかねない」と断念を迫った。しかし知事自身は、辺野古移設に代わる打開策を示すことはなかった。普天間飛行場が固定化するリスクの責任を政府に転嫁しようとす… 2019/03/05
視点 【視点】陸自配備、万全の備えは政府の責務 石垣島への陸上自衛隊配備に向け、防衛省は駐屯地建設の用地造成工事に着手した。石垣市は尖閣諸島を行政区域に抱え、中国をにらんだ国境の最前線であり、万全の備えを固めることは政府の責務でもある。早期の駐屯地整備に期待したい。 駐屯地建設予定地周辺の於茂登、開南、川原、嵩田の4公民館は2月27日、初めて防衛省側と面談し、駐屯地建設に反対する意向を伝えた。弾薬庫と住宅の距離、水源地への影響などを懸念する… 2019/03/03
視点 【視点】県民投票、沖縄に傷残した 投票権は大切な権利だが、投票することがかえって沖縄の未来に影を落とす結果を招くかも知れない―。少なからぬ有権者にそんな懸念を抱かせ、無念の思いで棄権という選択をさせた、問題の多い県民投票だった。投開票が終わった今も、その懸念は重くのしかかったままだ。 「辺野古米軍基地建設のための埋め立ての賛否を問う県民投票」。この設問から、米軍普天間飛行場の危険と隣り合わせの宜野湾市民に思いを馳せる人はどれだ… 2019/02/25
視点 【視点】県民投票過熱、懸念が現実に 「辺野古米軍基地建設のための埋め立て」を問う県民投票があす24日に迫ったが、米軍普天間飛行場の辺野古移設に対するネガティブな情報が県や基地反対派から次々と発信されている。中には「フェイクニュース」や印象操作ではないかと思われるものもある。辺野古移設を容認する自民党が静観する中、反対派の運動が一方的に過熱する状況は告示前から予想されていたが、懸念が現実になったようだ。 県は20日、国土交通省に提… 2019/02/23
視点 【視点】陸自配備、国民守る責任着々と 石垣島への陸上自衛隊配備計画は、早ければ今月中にも駐屯地建設工事が始まりそうだ。防衛省は13日、着工前最後の住民説明会を開いた。質問者の多くが反対派で、会場に怒号が響くなど異様な雰囲気になったが、石垣市の中山義隆市長は既に配備への協力方針を示している。 中国の軍事的拡張など、沖縄を取り巻く国際環境が悪化される中、政府には国民の生命や財産を守る責任がある。着々と責任を果たし、駐屯地の早期整備を進… 2019/02/15
視点 【視点】なぜ「賛成」と言えないのか 「辺野古米軍基地建設のための埋め立て」の賛否を問う県民投票があす14日告示される。政府は県民投票の結果にかかわりなく、米軍普天間飛行場の辺野古移設工事を進める考えを示しており、県民投票に工事を止める直接的な効力はない。 ただ埋め立て承認撤回を巡り、今後予想される県と国の法廷闘争で、県や反対派は、反対多数の結果を得て、有利な材料に使いたい思惑がある。県民投票の結果が辺野古移設の行方に全く影響がな… 2019/02/13
視点 【視点】「健全野党」へ混乱収束を 自民党県連は4日、常任総務会を開き、照屋守之会長の辞任を全会一致で承認した。照屋氏は県民投票条例の改正を巡り、党所属県議の足並みが乱れたことの責任を取りたいとして辞表を提出。その後辞意を撤回したが、常任総務会では続投を認めなかった。 玉城デニー県政は米軍普天間飛行場問題で政府との対立を深めており、現在の路線が続けば、今後の基地負担軽減や、沖縄振興に悪影響が出る恐れがある。県益を損ないかねない県… 2019/02/06
視点 【視点】住民投票、求められる慎重さ 石垣市議会は1日、石垣島平得大俣地区への陸上自衛隊配備計画の賛否を問う住民投票条例案を採決し、賛否同数となったため、平良秀之議長が否決を決定した。今回の住民投票は実施されないことになり、陸自配備計画をめぐる当面の混乱は回避された。妥当な判断である。沖縄防衛局は今月中にも駐屯地建設予定地の用地造成に着手する方針だ。 八重山では、過去に3度の住民投票が実施されている。石垣市の新庁舎建設位置を問う住… 2019/02/03