視点 【視点】陸自や辺野古、反対運動は節度を 石垣市の陸上自衛隊配備予定地を見下ろせる山で、森林が無断伐採され、住民から「反対派が駐屯地建設工事を監視するための伐採ではないか」と推測する声が上がっている。民主主義社会で反対の意思表示をするのは自由だが、違法行為まで許されるわけではない。反対派の行為であるとすれば、運動には節度を求めたい。 森林が無断伐採された嵩田山の嵩田林道に行ってみた。道路の脇には木々がこんもりと生い茂っているが、伐採さ… 2019/05/21
視点 【視点】玉城県政、理想論より現実の結果を 玉城デニー知事は17日の定例記者会見で、有識者が知事に政策を提言する「万国津梁会議」の初会合を30日に開催すると発表した。「人権・平和」分野の会議で、在沖米軍基地の整理縮小を重点的に議論する。4回程度の会合を予定しており、玉城知事は、まとまった意見を県の施策に「速やかに反映」させる方針だ。 米軍基地の負担軽減を巡っては、日米両政府が合意した日米行動特別委員会(SACО)の最終報告が存在する。し… 2019/05/19
視点 【視点】教えられる「優しさと勇敢さ」 沖縄の高校生を巡る心温まるニュースが相次いでいる。人の優しさや、勇気について改めて考えさせられるエピソードだ。 与那国島出身で、那覇市の高校2年生崎元颯馬さん(17)は4月、伯父の葬儀に参列するため島に帰ろうとしていたが、モノレールの那覇空港駅で、往復の航空運賃が入った財布をなくしてしまった。頭を抱えているところへ、男性から「どうしたの」と声を掛けられた。事情を話すと、男性は6万円を差し出し、… 2019/05/17
視点 【視点】陸自住民投票で与野党対立 石垣市議会の特別委員会が14日、石垣島平得大俣地区への陸上自衛隊配備の是非を問う住民投票条例案を否決した。同条例案は6月定例会の本会議でも採決され、最終的な結論が出る。 この日の会合では、住民投票を必要、不要とする参考人を計6人招致した。必要とする参考人は野党、不要とする参考人は与党が推薦した。審議を深める上で、参考人招致の意義は大きかったと言える。 住民投票を必要とする参考人は、住民投票を… 2019/05/16
視点 【視点】復帰47年「差別論」で未来は開けず 国境といえば「辺境の地」というイメージだが、沖縄は今やアジア有数の国際リゾート地として成長が期待される地域だ。日本という国のふところの深さを改めて感じる。 沖縄は15日、47回目の復帰記念日を迎えた。本土との経済格差や米軍基地問題などの課題は依然として重いが、アジアに開かれた日本の玄関口として、「令和」の新時代こそ飛躍を期したい。 玉城デニー知事は復帰記念日のコメントで、復帰以降、数次の振興… 2019/05/15
視点 【視点】「辺野古」に偏らない選挙戦を 夏の参院選に向け、玉城デニー知事を支援する県政与党が琉球大名誉教授の高良鉄美氏(65)、県政野党の自民党がシンバホールディングス会長の安里繁信氏(49)=公明推薦=をそれぞれ擁立した。両氏の一騎打ちになる可能性が大きく、米軍基地問題や沖縄振興が大きな争点になる見通しだ。米軍普天間飛行場の辺野古移設問題で論戦が予想されるが「辺野古」だけに偏った選挙戦にならぬよう望みたい。 高良氏は5月4日の出馬… 2019/05/14
視点 【視点】陸自配備、環境に配慮し着実に 石垣島への陸上自衛隊配備計画が進む平得大俣地区の駐屯地建設予定地周辺で国の特別天然記念物カンムリワシの営巣が確認された。沖縄防衛局は現在、突発音を出すような工事は控え、カンムリワシの繁殖に影響のない工法、工程で工事を実施していくという。自然環境の保全に十分に配慮しながら、工事の着実な進展を図ってほしい。 沖縄防衛局によると、4月24日から26日にかけて予定地周辺で行った環境モニタリング調査で、… 2019/05/12
視点 【視点】韓国と二重写しになる県政 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が就任して10日で2年となった。「平和」「正義」といった耳あたりのいい言葉を掲げて南北融和や歴史問題清算などの政策を進めているものの、周辺国の視線は冷ややかで、日韓関係に至っては過去最悪とも評される。独りよがりな文政権の姿勢は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の辺野古移設を巡って政府と激しく対立する玉城デニー県政と二重写しになってしまう。 文大統領は2018年4… 2019/05/10
視点 【視点】北朝鮮問題 遠い国の話か 北朝鮮を巡る情勢がまた慌ただしくなった。北朝鮮は4日、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長立ち会いの下、日本海上で火力打撃訓練を行ったと報じ、垂直に打ち上がるミサイルの写真を公開した。専門家の間では短距離弾道ミサイルであるとの見方が多く、その場合、発射を禁じた国連安全保障理事会の制裁決議に違反する。 一方、金委員長が2月の米朝首脳会談で、トランプ米大統領に「日朝間の懸案として日本人拉致問… 2019/05/09
視点 【視点】子どもの日 喫緊の課題は少子化 ニュージーランドのアーダーン首相が長年のパートナーであるアナウンサーの男性と結婚すると報じられた。首相は昨年6月に長女を出産したばかりで、結婚相手は「専業主夫」として家庭を守るという。ほほえましい話だが、日本にも何かのヒントになるかも知れない。 5日は子どもの日、5日~11日は児童福祉週間である。子どもの健やかな成長は、国や地域の未来そのものだ。すべての大人の責任として子どもを守り育てたい。し… 2019/05/05
視点 【視点】「令和」にふさわしい憲法像は 72年間で国内外の情勢は大きく変化したが、憲法は一言一句たりとも変わっていない。憲法とはそもそも頻繁に改正されるべきものではないとも言えるが、いわば耐用年数が切れた部品も修理されないまま「令和」に突入してしまった感もある。3日の憲法記念日に当たり、新時代にふさわしい憲法像を模索し「沖縄こそ改憲を必要としている」というメッセージを発信したい。 改憲で最も議論になるのは戦争放棄と戦力の不保持を定め… 2019/05/03
視点 【視点】令和の沖縄を展望する 平成の沖縄は、オンリーワンの存在感を発揮してきた。令和の時代は勢いをさらに発展させ、オンリーワンであると同時に、ナンバーワンの力強さを獲得したい。 観光客は1千万人時代が目前だ。沖縄本島だけでなく宮古、八重山の各離島の観光地も年間100万人以上の観光客でにぎわっている。本島北部と西表島の世界自然遺産登録は、政府が目標とする2020年まで秒読み段階に入った。那覇空港第二滑走路も間もなく完成する。… 2019/05/01
視点 【視点】平成の沖縄を振り返る 沖縄ブランドが世界に飛躍し、県民が誇りと自信を深めた30年だった。 経済的発展は著しい。2018年度の入域観光客数は999万9千人で、1千万人が目前に迫った。国内大都市から続々と観光客が押し寄せているが、クルーズ船を利用した台湾などからの海外観光客も初めて300万人を突破した。今、沖縄は空前の活況と言っていい。 しかし日本復帰直後まで、沖縄は本土から見て国境のへき地であり、辺境でしかなかった… 2019/04/30
視点 【視点】知事の中国傾斜 必要性あるのか 玉城デニー知事は16日~19日、日本国際貿易促進協会(会長・河野洋平元衆院議長)に同行して訪中した際、面談した胡春華副首相に対し、中国主導の経済圏構想「一帯一路」について「日本の出入り口として沖縄を活用してほしい」と提案した。胡副首相は「賛同する」と応じたという。玉城知事が26日の定例記者会見で明らかにした。 一帯一路に対しては、日本や欧米諸国で「中国が影響力を拡大する手段に使っている」という… 2019/04/28
視点 【視点】あすから10連休 「平成」から「令和」へ 今年のゴールデンウィークは27日から5月6日まで、異例の10連休となる。新天皇即位、改元というビッグイベントを挟み、期間中、列島全体が祝賀ムードに包まれそうだ。心身ともにじっくりと休養する絶好の機会だが、万一のトラブルにも備え、無為に過ごさぬよう努めたい。 官公庁や多くの企業が休みになるため、いざという時に困らぬよう、連休中のサービスの有無を事前にチェックしておくことが必要だ。特に医療機関の対… 2019/04/26
視点 【視点】平成最後の「明和大津波の日」 八重山の犠牲者数9313人、人口比で32.2%。1771年(明和8年)4月24日の「明和の大津波」による被害である。昨日は平成最後の「明和大津波の日」だった。石垣市は同日を防災の日、同日から1週間を防災週間と定めている。「万一の備え」に対する意識を改めて強化する必要がある。 島内にある慰霊塔の碑文には「午前8時ごろ大地震があり、それがやむと石垣島の東方に雷鳴のような音がとどろき、間もなく外の瀬… 2019/04/25
視点 【視点】屋良氏 政策は実行可能か 衆院沖縄3区補選で初当選したフリージャーナリストの屋良朝博氏は当選から一夜明けた22日、精力的に報道各社のインタビューに答え、米軍基地問題や沖縄振興の政策を語った。自身の著書や、屋良氏が参加しているシンクタンク「新外交イニシアティブ」の提言などからも、屋良氏の構想を知ることができる。米軍普天間飛行場を辺野古移設なしで返還させると強調するが、実行可能なのか疑問も残る。 屋良氏は、在沖米海兵隊がオ… 2019/04/24
視点 【視点】「辺野古」に翻弄される沖縄 政治経験のない元新聞記者が、知名度も実績も、はるかに上回るベテラン政治家を破り、初当選を果たす。他の地域ではなかなか考えにくい選挙だが、沖縄ではそれが現実のものになった。衆院3区補選は、元沖縄タイムス社会部長でフリージャーナリストの屋良朝博氏が、元沖縄担当相の島尻安伊子氏を下した。 屋良氏勝利のテコになったのは、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設問題だ。事前の世論調査では、重視する政策に辺野古… 2019/04/22
視点 【視点】沖縄観光を牽引する離島 沖縄観光が好調さを維持している。宮古島市は2018年度(18年4月~19年3月)の入域観光客数が114万人となり、初めて100万人台に達したと発表した。八重山も18年(1~12月)は過去2番目となる137万9千人余の入域観光客数を記録した。離島が沖縄の観光産業を牽引(けんいん)する勢いだ。沖縄としては今後の誘客活動に弾みをつけ、受け入れ態勢の整備を進めていく必要がある。 県全体の18年(1~1… 2019/04/19
視点 【視点】危うさ感じる知事訪中 玉城デニー知事が日本国際貿易促進協会(会長・河野洋平元衆院議長)のメンバーとして訪中している。観光や貿易などで交流拡大を訴えるようだ。在任中、同様に訪中していた翁長雄志前知事の路線を忠実に引き継いだものだが、知事の外遊には税金が投入されており、費用対効果はしっかり検証されなくてはならない。その意味で、この時期の知事訪中には、違和感を抱かざるを得ない。 沖縄は観光立県であり、知事が海外からの観光… 2019/04/18