視点 【視点】「働き方改革」成長のチャンスに 労働と余暇を両立させる「ワークライフバランス」実現が、生きがいのある働き方につながる。働き方改革関連法が4月1日から順次施行された。企業は時間外労働の上限規制などに対応する必要に迫られている。少ない人数で効率的に成果を上げる。労働生産性の向上に向けた取り組みが急務だ。 「働き方改革」は、少子高齢化や人口減少で厳しさが増す労働環境の改善を目的に、安倍政権が進めている施策だ。時間外労働の上限規制の… 2019/05/29
視点 【視点】日米同盟に依存する平和と繁栄 安倍晋三首相とのゴルフ、天皇陛下の晩さん会招待、大相撲優勝力士への大統領杯授与、高級居酒屋での接待―。テレビ映えがするイベントが次々と繰り出されている。国賓として来日したトランプ米大統領を、日本政府が国を挙げて歓待している。ほほえましく感じる人、あるいは眉をひそめる人もあろうが、日本の平和と繁栄は、厳然として日米同盟に依存している。その現実を、まざまざと見せつけられるような光景だ。 トランプ大… 2019/05/28
視点 【視点】領土侵奪される危機が現実化 石垣市の行政区域である尖閣諸島周辺の接続水域で、中国公船の航行が25日、過去最長の44日連続となった。24日には、尖閣周辺海域で操業した仲間均石垣市議の漁船が、中国公船「海警」に追尾される事態も発生した。仲間氏は「中国は、尖閣を本気で乗っ取りに来ている」と危機感をあらわにしている。領土を侵奪される危機が現実化しており、沖縄県民としても正念場であることを自覚すべきだ。 中国公船の航行は、2012… 2019/05/26
視点 【視点】県民投票とは何だったか 米軍普天間飛行場(宜野湾市)の辺野古移設を巡る県民投票から24日で3カ月となる。辺野古移設工事は着々と進み、県民投票の記憶は早くも過去のものになりつつある。5億5千万円の血税を投じ、何が変わり、何が動いたのか。むなしさだけが残る現状を見ると、県民投票とは打ち上げ花火であり「基地反対派の政治的パフォーマンスに過ぎなかった」と改めて感じざるを得ない。 県民投票は「辺野古米軍基地建設のための埋め立て… 2019/05/24
視点 【視点】台湾総統選、沖縄にも影響か 来年1月の台湾総統選に向け、有力候補たちの動きが活発化している。現在は独立志向が強い民進党の蔡英文政権だが、野党国民党が勝利すれば、中国寄りの新政権が誕生する可能性があり、沖縄を取り巻く国際環境も大きく変わる。県民も台湾の政治状況を注視したい。 蔡総統は昨年の統一地方選で惨敗し、再選に黄信号がともった。しかし、中国の習近平国家主席が今年の新年の演説で、台湾に「一国二制度」受け入れを迫り、台湾独… 2019/05/23
視点 【視点】米イランが一触即発 米国とイランが一触即発だ。米国が紛争の当事者になれば、米軍基地を抱える沖縄も無関係ではいられない。 トランプ米政権は2018年5月、イランの核開発を制限するため米英独仏中ロの6カ国が15年にイランと結んだ核合意から離脱した。合意で解除されたイランへの制裁を再び発動。イランは猛反発し、核合意は存続の危機に陥った。 核合意はオバマ前大統領時代の遺産だが、合意内容にミサイル開発の制限が含まれていな… 2019/05/22
視点 【視点】陸自や辺野古、反対運動は節度を 石垣市の陸上自衛隊配備予定地を見下ろせる山で、森林が無断伐採され、住民から「反対派が駐屯地建設工事を監視するための伐採ではないか」と推測する声が上がっている。民主主義社会で反対の意思表示をするのは自由だが、違法行為まで許されるわけではない。反対派の行為であるとすれば、運動には節度を求めたい。 森林が無断伐採された嵩田山の嵩田林道に行ってみた。道路の脇には木々がこんもりと生い茂っているが、伐採さ… 2019/05/21
視点 【視点】玉城県政、理想論より現実の結果を 玉城デニー知事は17日の定例記者会見で、有識者が知事に政策を提言する「万国津梁会議」の初会合を30日に開催すると発表した。「人権・平和」分野の会議で、在沖米軍基地の整理縮小を重点的に議論する。4回程度の会合を予定しており、玉城知事は、まとまった意見を県の施策に「速やかに反映」させる方針だ。 米軍基地の負担軽減を巡っては、日米両政府が合意した日米行動特別委員会(SACО)の最終報告が存在する。し… 2019/05/19
視点 【視点】教えられる「優しさと勇敢さ」 沖縄の高校生を巡る心温まるニュースが相次いでいる。人の優しさや、勇気について改めて考えさせられるエピソードだ。 与那国島出身で、那覇市の高校2年生崎元颯馬さん(17)は4月、伯父の葬儀に参列するため島に帰ろうとしていたが、モノレールの那覇空港駅で、往復の航空運賃が入った財布をなくしてしまった。頭を抱えているところへ、男性から「どうしたの」と声を掛けられた。事情を話すと、男性は6万円を差し出し、… 2019/05/17
視点 【視点】陸自住民投票で与野党対立 石垣市議会の特別委員会が14日、石垣島平得大俣地区への陸上自衛隊配備の是非を問う住民投票条例案を否決した。同条例案は6月定例会の本会議でも採決され、最終的な結論が出る。 この日の会合では、住民投票を必要、不要とする参考人を計6人招致した。必要とする参考人は野党、不要とする参考人は与党が推薦した。審議を深める上で、参考人招致の意義は大きかったと言える。 住民投票を必要とする参考人は、住民投票を… 2019/05/16
視点 【視点】復帰47年「差別論」で未来は開けず 国境といえば「辺境の地」というイメージだが、沖縄は今やアジア有数の国際リゾート地として成長が期待される地域だ。日本という国のふところの深さを改めて感じる。 沖縄は15日、47回目の復帰記念日を迎えた。本土との経済格差や米軍基地問題などの課題は依然として重いが、アジアに開かれた日本の玄関口として、「令和」の新時代こそ飛躍を期したい。 玉城デニー知事は復帰記念日のコメントで、復帰以降、数次の振興… 2019/05/15
視点 【視点】「辺野古」に偏らない選挙戦を 夏の参院選に向け、玉城デニー知事を支援する県政与党が琉球大名誉教授の高良鉄美氏(65)、県政野党の自民党がシンバホールディングス会長の安里繁信氏(49)=公明推薦=をそれぞれ擁立した。両氏の一騎打ちになる可能性が大きく、米軍基地問題や沖縄振興が大きな争点になる見通しだ。米軍普天間飛行場の辺野古移設問題で論戦が予想されるが「辺野古」だけに偏った選挙戦にならぬよう望みたい。 高良氏は5月4日の出馬… 2019/05/14
視点 【視点】陸自配備、環境に配慮し着実に 石垣島への陸上自衛隊配備計画が進む平得大俣地区の駐屯地建設予定地周辺で国の特別天然記念物カンムリワシの営巣が確認された。沖縄防衛局は現在、突発音を出すような工事は控え、カンムリワシの繁殖に影響のない工法、工程で工事を実施していくという。自然環境の保全に十分に配慮しながら、工事の着実な進展を図ってほしい。 沖縄防衛局によると、4月24日から26日にかけて予定地周辺で行った環境モニタリング調査で、… 2019/05/12
視点 【視点】韓国と二重写しになる県政 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が就任して10日で2年となった。「平和」「正義」といった耳あたりのいい言葉を掲げて南北融和や歴史問題清算などの政策を進めているものの、周辺国の視線は冷ややかで、日韓関係に至っては過去最悪とも評される。独りよがりな文政権の姿勢は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の辺野古移設を巡って政府と激しく対立する玉城デニー県政と二重写しになってしまう。 文大統領は2018年4… 2019/05/10
視点 【視点】北朝鮮問題 遠い国の話か 北朝鮮を巡る情勢がまた慌ただしくなった。北朝鮮は4日、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長立ち会いの下、日本海上で火力打撃訓練を行ったと報じ、垂直に打ち上がるミサイルの写真を公開した。専門家の間では短距離弾道ミサイルであるとの見方が多く、その場合、発射を禁じた国連安全保障理事会の制裁決議に違反する。 一方、金委員長が2月の米朝首脳会談で、トランプ米大統領に「日朝間の懸案として日本人拉致問… 2019/05/09
視点 【視点】子どもの日 喫緊の課題は少子化 ニュージーランドのアーダーン首相が長年のパートナーであるアナウンサーの男性と結婚すると報じられた。首相は昨年6月に長女を出産したばかりで、結婚相手は「専業主夫」として家庭を守るという。ほほえましい話だが、日本にも何かのヒントになるかも知れない。 5日は子どもの日、5日~11日は児童福祉週間である。子どもの健やかな成長は、国や地域の未来そのものだ。すべての大人の責任として子どもを守り育てたい。し… 2019/05/05
視点 【視点】「令和」にふさわしい憲法像は 72年間で国内外の情勢は大きく変化したが、憲法は一言一句たりとも変わっていない。憲法とはそもそも頻繁に改正されるべきものではないとも言えるが、いわば耐用年数が切れた部品も修理されないまま「令和」に突入してしまった感もある。3日の憲法記念日に当たり、新時代にふさわしい憲法像を模索し「沖縄こそ改憲を必要としている」というメッセージを発信したい。 改憲で最も議論になるのは戦争放棄と戦力の不保持を定め… 2019/05/03
視点 【視点】令和の沖縄を展望する 平成の沖縄は、オンリーワンの存在感を発揮してきた。令和の時代は勢いをさらに発展させ、オンリーワンであると同時に、ナンバーワンの力強さを獲得したい。 観光客は1千万人時代が目前だ。沖縄本島だけでなく宮古、八重山の各離島の観光地も年間100万人以上の観光客でにぎわっている。本島北部と西表島の世界自然遺産登録は、政府が目標とする2020年まで秒読み段階に入った。那覇空港第二滑走路も間もなく完成する。… 2019/05/01
視点 【視点】平成の沖縄を振り返る 沖縄ブランドが世界に飛躍し、県民が誇りと自信を深めた30年だった。 経済的発展は著しい。2018年度の入域観光客数は999万9千人で、1千万人が目前に迫った。国内大都市から続々と観光客が押し寄せているが、クルーズ船を利用した台湾などからの海外観光客も初めて300万人を突破した。今、沖縄は空前の活況と言っていい。 しかし日本復帰直後まで、沖縄は本土から見て国境のへき地であり、辺境でしかなかった… 2019/04/30
視点 【視点】知事の中国傾斜 必要性あるのか 玉城デニー知事は16日~19日、日本国際貿易促進協会(会長・河野洋平元衆院議長)に同行して訪中した際、面談した胡春華副首相に対し、中国主導の経済圏構想「一帯一路」について「日本の出入り口として沖縄を活用してほしい」と提案した。胡副首相は「賛同する」と応じたという。玉城知事が26日の定例記者会見で明らかにした。 一帯一路に対しては、日本や欧米諸国で「中国が影響力を拡大する手段に使っている」という… 2019/04/28